孤独死の特殊清掃で行う臭気測定とは|数値の見方と作業前後の変化

この記事の結論:当社では、作業の前後に臭気測定器で数値を確認しています。使用しているのは、神栄テクノロジーのハンディにおいモニター「OMX-ADM」です。表示される「においの強度」は0〜999の数値(単位なし)で、センサーが腐敗臭成分に反応した度合いを示します。ppmなどの物質の濃度や、人の嗅覚で決める臭気指数とは別の指標で、法令の基準値とも別のものです。同じ場所・同じ条件で、作業の前後を比べることで、変化が分かります。石岡市の事例では、においの強度が335から5へ、水戸市の事例では、4か所すべてで999以上から0へ変化しました。

この記事では、測定器が示すものと示さないもの、数値の見方、測定する場所、実際の事例の変化、業者に確認したい点を解説します。

臭気測定器が示すもの、示さないもの

示すもの示さないもの
腐敗臭に関わる成分(硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアなど)に対する、センサーの反応の大きさ人が感じるにおいの強さそのもの
作業の前後での、においの強度の変化ppmなど、特定の物質の濃度
清浄な空気と比べた、においの相対的な強さ臭気指数・臭気濃度(法令や条例の基準に使われる指標)

「完全に無臭になった」という保証を示すものでもありません。

OMX-ADMは、半導体ガスセンサーを2個使った測定器です。対象ガスは、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアなどで、複数の腐敗臭成分に反応するため、特定の1つの物質の濃度を示すものではありません。表示は「においの強度」(0〜999)で、あわせて、臭気強度(2.5〜5.0)も表示できます。

取扱説明書で「ppm」が出てくるのは、アンモニア濃度の場合の検知濃度域(0〜約25ppm)の記載です。においの強度の数値は、ppmではありません。メーカーの説明でも、においの強度は、臭気強度・臭気濃度・臭気指数とは直接の相関関係がないとされています。詳しくは、メーカーの製品ページをご覧ください。

数値の見方

0〜999、999が上限

においの強度の表示範囲は、0から999です。「999以上」と書いているときは、表示の上限に達しており、実際の強さは、それ以上だった可能性があります。

「0」の意味

作業後に「0」と表示された場合は、センサーが対象とする腐敗臭成分に反応していない状態です。においが一切ないことの保証ではありません。たばこ臭など、センサーの対象外の成分は、別に確認する必要があります。

比べるときの注意

  • 同じ測定器で、同じ場所・同じ高さで、前後を比べる
  • この測定器の使用温度範囲は0〜40℃(結露がないこと)です。夏場の高温時や、湿気の多い浴室などでは、測定の条件に注意する
  • 1か所だけでなく、複数の場所で測る
  • 数値だけでなく、においの感じ方や、床下まで確認したかも、あわせて見る

測定する場所と、その理由

においは、場所によって強さが異なるため、複数の箇所で測定します。水戸市の事例では、次の4か所で、作業の前後に測定しました。

  • 床面
  • 水回り
  • 部屋の隅
  • 天井付近

必要に応じて、押入れの中や、床板を外した床下でも測定します。床下に発生源が残っていないかは、特殊清掃をしても臭いが残る原因で解説しています。

実例|作業前後の数値の変化

事例測定の内容作業前のにおいの強度作業後のにおいの強度
石岡市の集合住宅(2DK)現地調査時と、最終の確認3355
水戸市床面・水回り・部屋の隅・天井付近の4か所4か所とも999以上(表示の上限)4か所とも0
板橋区のアパート作業前の測定450事例ページをご覧ください

石岡市|最初から数値を示したことで、状況が伝わった

現地調査の時点で、においの強度は335という高い数値でした。畳の新調、バイオ洗浄、土間へのバイオ脱臭、オゾン脱臭、コーティングなどを組み合わせ、最終的に5まで低減しました。ご依頼者様からは、最初から数値で状況を示し、途中の作業の経過も見えたことで、安心できたというお声をいただきました。

水戸市|4か所すべてで、上限から0へ

作業前は、4か所すべてで、測定器の表示の上限(999以上)でした。部分リフォームと脱臭などを行ったあと、4か所すべてで、においの強度は0になりました。

数値が下がっても、確認したいこと

  • においの感じ方には個人差があります:数値が低くても、ご自身が気になる場合は、お伝えください。
  • 発生源が残っていないか:床板の裏、根太、床下などに体液が残っていると、季節や湿度で、においが戻ることがあります。
  • 複数の箇所で確認したか:1か所の数値だけでは、全体の状態は分かりません。

業者に確認しておきたい質問

  • どの測定器を使うか(機種名と、何を測る機器か)
  • 作業の前後に、測定してもらえるか
  • どの場所で、何か所測るか
  • 測定結果を、記録や写真で残してもらえるか(OMX-ADMには、測定値をメモリに保存し、USBで出力する機能があります)
  • 表示される数値の単位と意味を、説明してもらえるか

業者選びの考え方は、特殊清掃・遺品整理の業者選びで後悔しないためにでも解説しています。

臭気測定に関するよくある質問

q

数値がいくつなら、安心ですか?

a

この測定器のにおいの強度には、法令で定められた基準値はありません。数値だけでなく、においの感じ方、床下まで確認したか、ご依頼者様の立ち会いなどを合わせて、総合的に判断します。

q

「0」と表示されたら、においは完全になくなったのですか?

a

「0」は、センサーが対象とする腐敗臭成分に反応していない状態です。においが一切ないことの保証ではありません。ご確認のうえ、気になる点があれば、お知らせください。

q

においの強度の単位は何ですか?

a

単位はありません。測定器の表示値(0〜999)です。ppmは、物質の濃度を表す単位で、この測定器の取扱説明書では、アンモニア濃度の場合の検知濃度域(0〜約25ppm)として記載されています。においの強度の数値とは別のものです。

q

市販の臭気測定器でも、同じ数値になりますか?

a

機種によって、対象とする成分や、表示する数値の意味が異なるため、数値を直接比べることはできません。同じ機器で、前後を比べることが大切です。

q

臭気測定は、必ず行いますか?

a

当社では、現地調査や作業の前後に、臭気測定器で数値を確認しています。測定の方法や箇所は、現場の状況に応じてご説明します。

関連する施工事例・解説記事

お問い合わせ

作業前後の数値の確認や、においの残り具合についてのご相談を承ります。現地調査・お見積りは原則無料です。茨城県・東京都を中心に対応しています(対応エリア)。

※測定値は、特定の現場で測定した表示値です。温度・湿度、換気、測定の位置によって変わります。測定器の仕様は、取扱説明書とメーカーの公開情報にもとづきます。