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孤独死を発見してもらうために!自分のいのちを犠牲に犬が吠え続けた7日間
みなさんこんにちは。今回は、若い男性が孤独死し、飼っていた愛犬(キャバリア)が主人の死を近所に知らせようとした7日間についてお伝えします。結局、その鳴き声は誰にも届くことなく、故人と愛犬の命は同じ部屋で尽きてしまいました。
なお、実際の愛犬の画像を記事の最後に掲載しています。閲覧の際はご注意ください。
それでは、しばしお付き合いください。
結論
近隣の方が通報しなかった理由は、「第一発見者になりたくなかった」というものでした。
平和な現代の日本でこれからも生きていくためには、たとえ他人であっても関心を持つこと、そしてペットが発する小さなSOSに気づける感覚を、私たちは取り戻す必要があるのではないでしょうか。見守り活動や防止団体の取り組みも、自己満足で終わらせず、現場の実情を正しく把握し続けることが求められると思います。
孤独死が起きてしまった原因
今回の孤独死が起きてしまった経緯についてお伝えします。
亡くなったのは20代前半の男性でした。父親によれば、頑固な一面はあったものの、他人にきちんと挨拶ができ、ペットを大切にする優しい人柄だったといいます。
一人暮らしをしていた息子さんの死因は「急性の心臓死」でした。
突然死(予期せぬ死、急死、頓死) 瞬間死あるいは急性症状の発現後24時間以内の死亡で、外因死を除いた自然死のことをいいます。 東京都福祉保健局の資料より
予期せぬ前兆はあったのか
亡くなる2週間ほど前、故人は実家に3日ほど帰省していました。そのとき、ご飯はきちんと食べているか、生活はきちんとできているか、仕事は続いているかといった会話が交わされたそうです。
会話の中で、顔色の悪さや体調の異変が目立つ様子はなく、いつも通りに過ごしているように見えたといいます。ただ、ヘビースモーカーで、お酒もよく飲む方だったため、その点は少し気がかりだったそうです。
後になって振り返ると、お盆や正月でもないのにふらりと実家に帰ってきたことが、今思えば不思議だった。父親はそう話していました。普段あまり帰らない人がふと帰ってくるというのは、何かの知らせだったのかもしれません。
部屋の中はどんな様子だったのか
部屋の中は、独身男性の一人暮らしという雰囲気でしたが、以前女性と同棲していた形跡があり、女性用と思われる家電や衣類、化粧品なども見受けられました。
直近の使用状況からすると、すでに一緒には暮らしていなかったようですが、愛犬をとても可愛がっていた様子で、おもちゃやおやつが部屋のあちこちに散らばっていました。
急な死であったこともあり、生活感がそのまま残ったような時間が止まった空間に、故人は静かに横たわっていました。ベッドのそばには処方薬らしきものがありましたが、詳細は分かりませんでした。
電気はついたままで、水道も止まっていません。使う人がいなくなっただけの空間が、そこにはありました。
ベッドの脇とテーブルの上の灰皿には収まりきらないほどの吸い殻があり、床にまで落ちているものもありました。壁紙はヤニで真っ黄色になっており、日々かなりの本数を吸っていたことがうかがえました。
ネット通販をよく利用していたようで、部屋には空き箱や開封していない段ボールが積まれたままになっており、その中にはドッグフードも入っていました。
どうやって発見されたのか
死後およそ1週間で発見されましたが、遺体の腐敗はすでに進んでいました。上階に住む大家さんのもとに、犬の鳴き声についての苦情が近隣から寄せられ、様子を見に行っても応答がなかったといいます。
異臭に気づいたことで警察へ連絡し、一緒に室内へ入ることになりました。
部屋の中では、すでに腐敗が進んだ故人がベッドの上で息を引き取っており、虫が室内を飛び回っていました。部屋が荒らされた様子や物が持ち去られた形跡はなく、ただ静かに、人の遺体がベッドに横たわっているだけでした。臭いはドッグフードや排泄物、腐敗臭が入り混じったもので、マスクをして入室した方がすぐに嘔吐してしまうほど強烈でした。
故人の遺体は警察の手によって搬送され、部屋に残されたのは「愛犬の遺体」でした。ペットは法律上「物」として扱われるため、故人の遺体とともに搬送されることはありません。
最後まで主人と生活をともにし、そして一緒に遺体となって発見された小さな命。最後の瞬間まで、懸命に生き抜こうとしていたようでした。
虫の知らせではなく、犬の知らせだった
故人が急に亡くなったことを知らせようと、愛犬はその小さな体で懸命に吠え続けていたそうです。
作業中、隣人の方が様子を伺いに来て話を聞くと、犬がずっと吠えていたので「うるさいな」と感じていたといいます。いつもはそんなに長く吠えることはなかったそうですが、愛犬は4〜5日ほど吠え続けていました。
それでも特に不審に思うことなく普段通りの生活を続け、5〜6日ほど経つと鳴き声も聞こえなくなったといいます。
その愛犬は、わずかに残った食料で自分の命をつなぎながら、亡くなった主人の異変を隣人に伝えようと吠え続け、やがて食料も尽き、体力の限界を迎えて命を落としていきました。
もし苦情が寄せられていなければ、発見はさらに遅れていたかもしれません。
普段と違う吠え方をしていたのに、異臭にも気づいていたのに、なぜ隣人は何もしなかったのか「第一発見者になりたくなかった」
それが、隣人が語った言葉でした。異臭も、尋常ではない鳴き方も分かっていながら、自分が第一発見者になりたくないという思いから、通報すらしなかったのです。
結局、大家さんに苦情の連絡を入れたのは、別の階に住む住人でした。
その隣人は、犬が鳴き続けていた頃、引っ越しの準備を進め、そのまま引っ越してしまったといいます。
小さな犬の体は、亡くなった主人の部屋で、壁の方を向いたまま息絶えていました。動かなくなった主人を見て、誰かに知らせようとしたのでしょう。けれど、誰も気づいてはくれませんでした。吠え続ける体力も限界を迎え、愛犬の「気づいてほしい」という願いは、最後まで届くことはありませんでした。
人は気づかなければいけない、大切なことに
人が部屋の中で誰にも看取られずに亡くなること自体は、決して多くはないにせよ、昔から存在していたことだと思います。しかし、これほどまでに人が人を思いやれなくなってしまうことは、あってはならないのではないでしょうか。
弱者を守ろうという声が叫ばれる一方で、故人が亡くなっていることに気づいていながら、そのまま引っ越してしまう人がいる。自分さえよければという空気の中で、連絡することさえしない。そんな現実があります。
物に囲まれ、不自由なく暮らせるようになった世の中で、私たちが陥ってしまった一種の「平和ボケ」。普段と違う鳴き方に気づいたなら、連絡をするだけでよかったはずです。
人も犬も亡くなり、漂う腐敗臭、そして遺体に湧いた虫。孤独死を防ごうと、一部の方々が見守り活動を続けてくださっていますが、本当に大切なのは「社会全体が孤独死に関心を持つこと」です。それができなければ、見守り活動そのものも十分な意味を持ちません。
見守りの目が届いていない場所では、「第一発見者になりたくない」という理由だけで、発見が遅れてしまうケースが今も存在しています。
動物が発してくれた気づきに、人間が応えられなければなりません。何よりも大切なのは、早期に気づき、動くこと。それができていれば、助かった命もあったはずです。
父親が見せた落胆の姿
部屋を訪れた父親は、しばらく部屋を見渡したまま、一歩も動くことができずにいました。「お願いします」とだけ告げ、玄関わきで作業の様子をそっと見守っていました。時折、思い出の品が見つかると、言葉もなくカバンに詰めていきました。
犬の遺体を目にしたとき、すでに動かなくなった犬の頭を「よく頑張ったね」と言いながら、そっと撫でていました。
故人の写真が出てきたときには、いつ撮られたものかを思い出すように、じっと見つめていました。
作業が進み、清掃が終盤に差し掛かった頃、何もなくなった部屋を見て、父親は静かに涙を流していました。かけるべき言葉も見つからないまま、私たちはただ缶コーヒーを一本、父親に手渡しました。
「もう、何も考えられません」絞り出すように発せられたその言葉が、今も印象に残っています。
作業が終わり、お別れの際、「あなたたちはこういう風にはならないでね」と、ご自身がつらいはずなのに、私たちのことを気遣ってくださいました。そのことは、決して忘れてはならないと思っています。
別れ際に見せた涙は、私たちスタッフの心にも深く残る瞬間でした。
最後に、愛犬の実際の画像について(閲覧注意)
主人の最後を懸命に知らせようとした愛犬は、私たちが火葬し、合同墓地に埋葬させていただきました。主人とは一緒に埋葬することはできませんでしたが、本当によく頑張ったこのキャバリアは、人間以上の心を持っていたのではないかと思います。

