孤独死の現場では、特殊清掃と遺品整理の両方が必要になることがほとんどです。「別々の業者に頼んだほうがいいのか」「同時に頼めるのか」と迷う方も多いと思います。
この記事では、孤独死の特殊清掃と遺品整理を同時に依頼するメリット、同時にしないほうがよいケース、依頼前に確認したい注意点を、実例をもとにお伝えします。ご遺族、大家さん、管理会社さんが、進め方を決める材料にしてください。

目次
結論:孤独死の現場では、同時に進めるほうが合理的なことが多い
孤独死の現場では、遺品の片付けと清掃が、作業の中で切り離せません。遺品が置かれたままでは、床や壁の汚れを確認できず、清掃も脱臭も進められないからです。
そのため、特殊清掃と遺品整理を同じ業者が一連で進めると、無駄が減り、ご遺族の負担も軽くなります。ただし、状況によっては、同時にしないほうがよい場合もあります。
特殊清掃と遺品整理の違い
- 特殊清掃:体液・血液などの汚れの除去、消毒、害虫の駆除、脱臭など、現場を衛生的な状態に戻す作業
- 遺品整理:故人の持ち物を仕分けし、残すもの、形見として渡すもの、処分するものに分ける作業
別の作業ですが、孤独死の現場では、順番と段取りが密接に関わります。
同時に依頼する5つのメリット
1. 遺品を動かさないと、清掃ができない
汚れが家具や持ち物の下まで広がっていることがあります。床や壁の状態を確認し、必要なら床材を撤去するには、まず部屋の中のものを動かす必要があります。清掃と遺品整理を一緒に進めれば、この段取りをまとめて組めます。
笠間市の事例(笠間市の孤独死特殊清掃の事例)でも、遺品が多く、まず片付けから始める必要がありました。そのうえでクッションフロアを剥がし、床板を撤去し、床下まで洗浄しています。
2. 汚れた遺品と、そうでない遺品を適切に分けられる
体液が付いたり、臭いが染み込んだりした遺品もあれば、無事なものもあります。汚れた遺品を、そのまま搬出したり、ご遺族が持ち帰ったりすると、臭いや汚れが広がることがあります。清掃の知識がある業者が仕分けすれば、扱いを誤りにくくなります。
3. 貴重品や思い出の品を、見落とさずに取り分けられる
現金、通帳、印鑑、各種契約書、写真、手紙など、ご遺族にとって大切なものが現場にある場合があります。遺品整理人が仕分けに入ることで、貴重品や思い出の品を探し、丁寧に取り分けたうえで、ご遺族にお戻しできます。遠方にお住まいの場合は、形見分けの配送で届ける対応も可能です(配送料は距離によって別途必要です)。
4. 窓口が1つになり、日程の調整が楽になる
別々の業者に頼むと、日程の調整、立ち会い、見積もりの確認などが2回必要になります。同じ業者に任せれば、窓口が1つで、作業の順番もまとめて決められます。ご遺族や大家さんの連絡の手間も減ります。
5. 作業期間と、近隣への影響を抑えやすい
搬出や作業が何度も分かれると、そのたびに人や車の出入りが増えます。集合住宅では、近隣への配慮が重要です。一連の作業としてまとめることで、出入りの回数や、全体の期間を抑えやすくなります。原状回復の期限や、家賃が発生し続ける期間が気になる大家さん・ご遺族にとっても、大きな意味があります。
費用面は、どうなる?
費用は、遺品の量と、汚染の範囲によって変わります。笠間市の事例では、遺品整理が200,000円でした。特殊清掃の各作業を含めた事案全体の合計は870,000円です。内訳は、特殊清掃の料金ページもご覧ください。
同時に依頼することで、人員や車両などをまとめて手配できる場合がありますが、金額への反映は業者によって違います。見積もりの段階で、項目ごとの内訳を確認してください。
同時に依頼しないほうがよい場合
メリットの多い同時依頼ですが、次のような場合は、分けて進めたほうがよいことがあります。
- ご遺族が、ご自身の手で遺品を整理したい場合。特殊清掃(汚染の除去)だけを先に依頼し、遺品は後からご自身で整理する方法もあります。
- 親族間で、遺品の扱いがまだ決まっていない場合。相続人の間で合意ができていないまま処分すると、後でトラブルになることがあります。
- 相続放棄を検討している場合。下の「注意点」をご覧ください。
- 予算の都合で、まず臭いと衛生面の対応だけを優先したい場合。最低限の特殊清掃を先に行い、遺品整理を後にする段階的な進め方も可能です。
依頼前に知っておきたい注意点
遺品を処分する前に、相続のことを確認する
遺品を処分する行為が、相続の承認にあたるとみなされ、後から相続放棄ができなくなる可能性があると言われています。相続放棄を考えている場合は、遺品の処分や整理を進める前に、弁護士や司法書士などの専門家へ相談してください。法的な判断が必要な部分ですので、業者が判断することはできません。
賃貸物件では、大家さん・管理会社への確認を
賃貸物件の場合、遺品の扱い、原状回復の範囲、費用の負担などは、契約内容や状況によって変わります。先に大家さんや管理会社へ連絡し、進め方を確認しておくと、後のトラブルを防げます。大家さん・管理会社側の動き方は、賃貸で孤独死が起きたら|管理会社・オーナーの初動と業者の確認リストで解説しています。
警察の調べが終わってから
発見後は、警察の対応が先になります。立ち入りが可能になった段階で、早めに業者へご相談ください。直後の対応は、ご遺体発見直後の正しい初動対処も参考にしてください。
遺品の「仕分けの基準」を、先に伝えておく
「これは必ず残したい」「これは処分してよい」という希望は、作業の前に伝えておくのが安心です。立ち会いが難しい場合は、写真での確認や連絡の方法を、事前に相談できます。
業者選びで確認してほしいポイント
- 特殊清掃と遺品整理を、どちらも対応できるか。片方だけの業者だと、結局、別々に頼むことになります。
- 見積書で、遺品整理と特殊清掃が項目ごとに分かれているか。どの作業にいくらかかるか、わかる内訳かを確認します。
- 貴重品の捜索や取り分けの対応があるか。見つかった貴重品の扱いを、事前に説明してもらいます。
- 遺品整理の有資格者が対応するか。当社は、遺品整理人の認定を受けたスタッフが対応しています。
- 清掃後の臭気を、数値で確認してくれるか。遺品を片付けたあとも、臭いが残っていては、原状回復は完了しません。孤独死の特殊清掃で行う臭気測定とはで説明しています。
遺品整理そのものについては、遺品整理サービスのページもご覧ください。
よくあるご質問
特殊清掃と遺品整理を、同時にお願いできますか?
はい、可能です。清掃と整理をあわせて進めることで、段取りや日程をまとめられます。貴重品や思い出の品は、丁寧に取り分けて、ご遺族にお戻しします。
特殊清掃だけ、遺品整理だけの依頼もできますか?
はい、それぞれ単独でのご依頼も可能です。「まずは清掃だけ」「遺品整理のみ」というご要望にも対応しています。
立ち会いができない場合は、どうなりますか?
遠方にお住まいの場合などは、事前の打ち合わせで希望を伺い、写真や連絡で確認しながら進める方法をご相談できます。具体的な進め方は、状況に合わせてご案内します。
必要な遺品を、遠方へ送ってもらえますか?
はい、形見分けの配送で、指定の場所へお届けします(配送料は距離によって必要となります)。
汚れた遺品も、持ち帰れますか?
体液などで汚れた遺品や、臭いが染み込んだ遺品は、状態によって扱いが変わります。持ち帰りたいものがある場合は、作業前にご相談ください。
お問い合わせ
孤独死の現場では、遺品の片付けと清掃が切り離せないため、同じ業者に一連で任せると、段取り、貴重品の取り分け、ご遺族の負担の面でメリットがあります。一方で、相続放棄を検討している場合や、ご自身で整理したい場合は、分けて進めたほうがよいこともあります。
「何から手をつけたらいいか、整理したい」という段階でも構いません。
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