孤独死の特殊清掃において、最初に行うのが「床下調査」です。フローリングの表面だけを見て「綺麗になった」と判断してしまうと、床下や根太、コンクリートに染み込んだ体液が臭気の発生源として残り続けます。ここでは、当社が最重要工程と位置づける床下調査の内容を詳しく解説します。
この記事は「完全脱臭技術」9工程のうち、①床下調査について詳しく解説するページです。全体の流れは完全脱臭技術のページをご覧ください。

目次
なぜ床下調査が最重要工程なのか
腐敗は時間とともに進みます。体液が床・壁・コンクリートへと染み込むほど、除去は困難になり、費用も増えていきます。特に床は体液が最初に接触する場所であり、発見が遅れるほどフローリングの下地、根太、さらにはコンクリートの内部にまで浸透していきます。
この浸透範囲を正確に把握しないまま作業を進めると、表面上は綺麗になっても内部に汚れ源が残り、時間が経ってから臭気が再発します。床下調査は、その後の洗浄・消臭・脱臭工程すべての精度を左右する起点となるため、9工程の中でも最も重要な工程です。

フローリングの調査
まずフローリングの表面と継ぎ目を確認します。体液は板の継ぎ目やわずかな隙間から下地に流れ込むため、変色や膨張、浮きなどの状態を一枚ずつ確認しながら、体液が浸透している範囲を特定していきます。

床下確認・根太確認
フローリングを剥がし、床下と根太(床を支える木材)の状態を確認します。根太まで体液が染み込んでいる場合、木材内部で腐敗が進行し続けるため、表面の清掃だけでは臭気を断てません。染み込みの深さや範囲を確認したうえで、洗浄や交換が必要な箇所を判断します。
なぜ木材は体液を吸い込んでしまうのか
木材は繊維の集まりでできており、内部に無数の微細な道管・孔を持っています。この構造が毛細管現象を起こし、水分や体液を内部へと吸い上げてしまいます。表面が乾いているように見えても、内部の繊維には液体が染み込んでいるケースが多く、これが見た目だけでは判断できない理由です。
染み込んでしまった場合の対処法
調査の結果、木材に染み込みが確認された場合は、状態に応じて次のいずれかで対応します。
- 染み出し処理:薬剤等を使い、木材内部に浸透した体液を表面へ染み出させて拭き取ることで、木材を残したまま除去する方法。染み込みが浅い・軽度な場合に選択します。
- 部分交換:染み込みが深く、染み出し処理だけでは臭気の発生源を除去しきれないと判断した場合、該当箇所の根太や床材を切り出して交換する方法。
どちらの方法を選ぶかは、床下調査で確認した染み込みの深さと範囲によって判断します。木材を無条件に交換するのではなく、残せる部分は残すことで、工期とコストのバランスを取っています。

コンクリート確認
床下の下地がコンクリートの場合、その気孔(小さな穴)に体液や臭気成分が染み込んでいないかを確認します。コンクリートは一見硬く汚れにくいように見えますが、実際には内部まで浸透しやすい素材です。ここでの確認結果が、後工程のコンクリート洗浄の作業範囲を決めます。
汚れの範囲確認
フローリング・床下・根太・コンクリートの調査結果を総合し、汚れの範囲全体を確定します。この範囲確認をもとに、必要な洗浄・消臭・脱臭の工程と作業日数、お見積り金額を決定します。範囲を狭く見積もってしまうと後から追加作業が発生するため、調査段階での正確な把握を重視しています。
調査の流れ
- フローリング表面の状態確認
- フローリングを剥がし、床下・根太の状態確認
- 下地がコンクリートの場合は気孔への浸透確認
- 調査結果をもとに汚れの範囲を確定
- 範囲に応じた作業内容・お見積りをご提示
よくある質問
Q. 床下調査だけで追加費用はかかりますか?
いいえ、現地調査・お見積りは無料で承っております。調査結果をもとに総額のお見積りをご提示してから作業に入りますので、事前にご確認いただけます。
Q. フローリングは必ず剥がすのですか?
いいえ、必ずしも全面を剥がすわけではありません。体液の浸透が疑われる箇所については、床下・根太の状態を確認するためにピンポイントで剥がして調査します。浸透が見られない安全な箇所まで一律に剥がすことはせず、必要な範囲を見極めて最小限の対応にとどめます。
Q. 賃貸物件でも床下調査はできますか?
可能です。賃貸物件の場合は原状回復の範囲にも関わるため、調査結果をもとに大家様・管理会社様にもスムーズにご説明・ご納得いただける形でお見積りや解説資料をご用意します。
