【八王子市】孤独死の特殊清掃・原状回復事例|費用88万円の内訳

東京都八王子市で発生した孤独死案件における特殊清掃および原状回復工事の事例をご紹介します。今回の現場は、体液が床材の奥深くまで浸透していた難易度の高いケースであり、単なる清掃だけでなく、床下バイオ洗浄や部分リフォームまで含めた総合的な原状回復対応となりました。作業期間は約1カ月、総費用は88万円というご依頼でした。

70歳男性がキッチンの床で孤独死して体液がCFを通り越して床下へ浸透してしまった現場

孤独死・特殊清掃の現場は、ご遺族にとって非常につらい経験であると同時に、賃貸物件のオーナー様にとっても資産価値の回復という大きな課題となります。

八王子市の孤独死特殊清掃の概要

項目内容
所在地東京都八王子市
ご依頼内容特殊清掃・部分リフォーム一式
作業期間約1カ月
ご費用88万円
発見者ご実弟様(兵庫県神戸市より来訪)
亡くなられた方70代男性
発見時の状況キッチン前にて横向きの状態で発見
経過期間死後およそ3週間
主な汚れ箇所CF(クッションフロア)、床板、床下

費用内訳(税込)

No.項目内容金額(税込)
1遺品整理・搬出処分費用家具・家電・衣類等の仕分け、搬出、処分場搬入150,000円
2バイオ洗浄(床面)体液付着箇所の酵素分解洗浄・除菌50,000円
3CF(クッションフロア)撤去キッチン前を中心とした汚染範囲の撤去・産廃処分40,000円
4床板(下地材)撤去体液浸透部分の合板撤去60,000円
5床下バイオ洗浄根太・大引き・断熱材の洗浄消毒70,000円
6床板部分リフォーム下地合板張替え+フローリング新設180,000円
7キッチン取り外し・処分本体撤去・配管処理・産廃処分90,000円
8科学的消臭処理臭気中和・分解薬剤による室内全体処理50,000円
9オゾン脱臭処理オゾン脱臭機による空間・壁面脱臭(複数回)40,000円
10無光触媒コーティング壁・天井への抗菌消臭コーティング施工50,000円
11臭気測定作業完了後の臭気数値測定・報告書作成20,000円
12諸経費養生資材・産業廃棄物処分費・出張費等80,000円
合計880,000円

八王子市で孤独死が発見された経緯

今回のご依頼者様は、亡くなられた男性の弟様でした。しばらく連絡が取れなくなっていたことを心配され、遠方の神戸から新幹線で駆けつけられたとのことです。ご自宅に到着され、呼び鈴を鳴らしても応答がなく、異変を感じて管理会社・警察に連絡。立ち会いのもと室内に入られたところ、キッチンの前で横向きに倒れていらっしゃる状態で発見されました。

季節や室内環境にもよりますが、死後3週間ほど経過すると、体液の漏出や腐敗の進行により、フローリングの表層材だけでなく下地材、場合によっては床下にまで影響が及んでいることがあります。今回の現場もまさにそのケースで、キッチン前のCF(クッションフロア)には広範囲に体液が染み込み、さらにその下の床板(コンパネ・下地材)にまで浸透している状態でした。

弟様は、遠方にお住まいということもあり、すぐに全ての対応をすることは難しく、私たちに一括してご依頼いただく形となりました。

CFを剥がしてみると床板のすき間に体液が達していることがわかりました。
CFを剥がして床板を確認している様子

現地調査で判明した被害状況

現地調査では、以下のような被害状況が確認されました。

  • キッチン前フローリング(CF): 体液による大きなシミと臭気の吸着が広範囲に及んでいた
  • 床板(下地材): CFを通過した体液が下地の床板にまで浸透し、変色・腐食が見られた
  • 床下空間: 隙間や継ぎ目から体液が浸透し、床下のコンクリにまで臭気成分が付着している可能性
  • キッチン本体: 排水管まわりや設備の隙間にも臭気が付着しており、清掃だけでの原状回復が困難と判断
  • 室内全体の臭気: 発見までに約3週間経過していたことにより、部屋全体に強い臭気が充満

これらの状況から、単純な清掃・消臭だけでは対応しきれず、床材の解体・床下洗浄・部分リフォーム・キッチンの取り外しを含めた大規模な原状回復工事が必要と判断いたしました。

害虫駆除とは

CFを剥がしていくと隅に固まったウジがサナギになっているのを見つけた様子
CFを剥がしていくと隅に固まったウジがサナギになっているのを見つけた様子

作業工程の詳細

それぞれの工程について詳しくご説明します。

1. 遺品整理

まず最初に行ったのは遺品整理です。特殊清掃を行う前提として、室内にある家具・家電・衣類・書類などのご遺品を一つひとつ仕分けしました。ご遺族である弟様のご意向を伺いながら、形見として残したいものと処分するものを分別し、貴重品や重要書類については特に注意して捜索いたしました。

2. バイオ洗浄

遺品整理が完了した後、体液が付着した床面に対してバイオクリーナーにてバイオ洗浄を実施しました。バイオ洗浄とは、特殊な酵素や微生物由来の洗浄剤を用いて、体液由来のタンパク質や有機物を分解・除去する洗浄方法です。単なる拭き取りでは除去しきれない汚れの物質を分子レベルで分解することで、消毒・除菌と同時に、後の消臭工程の効果を高める役割も果たします。

3. CF(クッションフロア)剥がし

バイオ洗浄後、キッチン前を中心に汚れが確認されたCF(クッションフロア)を剥がす作業に入りました。CFは表面が樹脂加工されているため一見液体を通しにくいように見えますが、経年劣化や継ぎ目部分から体液が浸透してしまうケースが多く、今回もまさにその状態でした。表面だけでなく、CFの裏面や接着剤層にも汚れが広がっていることが確認されたため、該当範囲すべてを撤去しました。

CFを剥がしたら床板まで体液が染みてしまっているのを発見した様子
CFを剥がしたら床板まで体液が染みてしまっているのを発見した様子

4. 床板剥がし

CFを剥がした後に露出した床板を確認したところ、体液の浸透による変色と、木材特有の吸水による腐食が見られました。この状態のまま新しいフローリングを張っても、下地に残った臭気成分や雑菌が再び臭気トラブルを引き起こす可能性が高いため、汚れが確認された範囲の床板をすべて剥がしました。

体液が染みていた床材を剥がしてコンクリをバイオ洗浄している様子

5. 床下洗浄(床下バイオ洗浄)

床板を剥がしたことで露出した床下空間についても、バイオ洗浄剤を用いた洗浄を実施しました。床下は普段目にすることのない空間ですが、体液が根太(ねだ)や大引き、断熱材にまで染み込んでいることがあり、ここを放置すると数カ月後に再び異臭が発生する原因となります。今回の現場でも床下の木部に軽度の浸透が確認されたため、丁寧に洗浄・消毒を行いました。

床下にバイオを散布して洗浄

6. 床板部分リフォーム

床下洗浄後、撤去した範囲の床板を新しい合板に張り替え、フローリングを含めた部分リフォームを実施しました。全面リフォームではなく、汚染が確認された範囲に絞った部分リフォームとすることで、コストを抑えながら必要十分な原状回復を実現しています。

体液が染みていた床板を部分的にリフォームして元に戻る様子

7. キッチンの取り外し

キッチン本体についても、排水部分や設備の隙間に臭気成分が入り込んでいる可能性が高かったため、取り外しを行いました。キッチンは体液が最も近い場所にあったため、内部にまで汚れが及んでいる懸念があり、オーナー様ともご相談の上、撤去・処分という判断に至りました。

キッチン本体を取り外したところ、設備の裏側に害虫(ウジのサナギ)の発生が確認されたため、徹底的に駆除いたしました。害虫は目に見えない隙間に入り込み、異臭を放つ原因となるため、設備を解体しての確実な駆除が必要不可欠です。

キッチンを取り外すと裏側にウジのサナギの大群を発見

8. 科学的消臭

科学的消臭をするためにブルーシートで養生をして全面的に消臭していく様子

床材の入れ替えが完了した後、室内全体に対して科学的消臭処理を実施しました。市販の芳香剤やスプレーで臭いを「ごまかす」のではなく、臭気の原因物質そのものを化学的に中和・分解する薬剤を用いることで、根本的な消臭を図りました。

科学的消臭で臭気が7ppmまで下がったことを確認している様子

9. オゾン脱臭

科学的消臭に加え、オゾン脱臭機を用いた空間脱臭処理も行いました。オゾンには強い酸化作用があり、空気中の臭気分子を分解する効果があります。密閉した室内でオゾン濃度を高めて一定時間置くことで、使用した薬剤のにおいやバイオが反応後に出すにおいなどにアプローチしました。

オゾン脱臭は何ができる

10. 無光触媒コーティング

仕上げとして、無光触媒によるコーティング処理を行いました。無光触媒は、(光が当たらないクローゼットや夜間の室内でも、24時間消臭・抗菌効果を発揮する特殊なコーティングです)、壁面や天井などに施工することで、長期的な臭気の再発防止と抗菌効果が期待できます。

11. 臭気測定

すべての作業が完了した後、臭気測定を実施し、異常な数値が検出されないことを確認しました。この最終確認を行うことで、感覚的な「臭わなくなった」という判断ではなく、客観的なデータに基づいて原状回復が完了したことをオーナー様、ご遺族様双方にご報告することができました。

臭気測定の重要性

おなじ場所で臭気を測定して数値が落ちていることを確認している様子

オーナー様立ち会いのもと契約終了

最終的に、物件のオーナー様にも現地にお越しいただき、仕上がりをご確認いただきました。当初は体液による深い汚れから「解体レベルの工事になるのでは」というご不安もありましたが、部分リフォームという形で必要な範囲に絞って対応できたこと、そして臭気測定の結果に問題がなかったことから、オーナー様にもご納得いただき、円満に契約終了となりました。

ご遺族である弟様からも、「遠方に住んでいて何もできない中、全てお任せできて本当に助かった」というお言葉をいただきました。

なぜ、88万円の特殊清掃になったのか

今回のご費用88万円には、以下の作業がすべて含まれています。

  • 遺品整理・搬出処分費用
  • バイオ洗浄(床面・床下)
  • CF撤去・床板撤去費用
  • 床下洗浄費用
  • 床板部分リフォーム(下地・フローリング張替え)
  • キッチン取り外し・処分費用
  • 科学的消臭処理
  • オゾン脱臭処理
  • 無光触媒コーティング
  • 臭気測定

体液の浸透が表層のCFだけにとどまらず、床板・床下にまで及んでいたことが、今回の工事範囲が広がった主な要因です。特殊清掃の費用は、発見までの経過期間や浸透の深さによって大きく変動します。今回のように死後およそ3週間が経過し、体液が床材の複数層に浸透しているケースでは、清掃だけでなく解体・リフォームを伴う対応が必要になることが多く、結果として費用も高くなる傾向にあります。

作業期間1カ月を要した理由

作業期間が約1カ月に及んだ主な理由は以下の通りです。

  1. 遺品整理から搬出、行政手続き関連の調整に一定の時間を要したこと
  2. バイオ洗浄後、乾燥・養生期間を十分に確保する必要があったこと
  3. 床板・床下の状態を確認しながら段階的に解体範囲を判断したこと
  4. 部分リフォームの資材調達・施工に日数を要したこと
  5. 消臭工程(科学的消臭・オゾン脱臭・無光触媒)を複数回に分けて実施し、効果を確認しながら進めたこと

特に消臭工程については、一度の処理で完全に臭気が消えるとは限らないため、臭気測定を行いながら必要に応じて再処理を行うことがあります。今回は最終的な測定で異常が検出されなかったため、追加処理なくスムーズに完了することができました。

よくある質問

q

特殊清掃の費用はどのくらいが相場ですか?

a

死後の経過期間や汚れの範囲によって大きく異なります。発見が早く(数日以内)、汚れが床の表層にとどまる場合は20〜40万円程度で収まることが多いですが、今回のように体液が床板・床下にまで浸透し、部分リフォームが必要になるケースでは80〜100万円台になることもあります。まずは現地調査でお見積りを出すことをおすすめします。

q

遠方に住んでいても依頼できますか?

a

はい、問題ありません。今回の弟様も神戸にお住まいでしたが、遺品整理から特殊清掃、原状回復リフォームまですべてお任せいただきました。電話・メール・オンラインでのやり取りだけで進行状況をご報告することもできますので、現地に何度も足を運べない場合でもご安心ください。

q

賃貸物件の場合、費用は誰が負担するのですか?

a

一般的には、連帯保証人やご遺族が原状回復費用を負担するケースが多いですが、火災保険(孤独死特約)や少額短期保険で一部カバーできる場合もあります。またオーナー様側で負担する範囲が発生することもあり、契約内容によって異なりますので、管理会社様とよくご確認いただくことをおすすめします。

q

臭いは本当に完全に消えるのですか?

a

はい、消すことができます。体液の浸透が表層のみであれば、バイオ洗浄と消臭処理で臭気はほぼ解消します。ただし今回のように床下や建材内部にまで浸透しているケースでは、汚れ箇所の解体・撤去を行わない限り、臭いが完全になくならないことがあります。作業後は臭気測定を行い、数値として異常がないことを確認したうえでお引き渡ししています。

q

特殊清掃と遺品整理は別々に依頼する必要がありますか?

a

弊社では遺品整理から特殊清掃、原状回復リフォームまでワンストップで対応しております。別々の業者に依頼すると日程調整や情報共有の手間が発生しますが、一括でご依頼いただくことでスムーズに進行でき、結果的にご遺族様のご負担も軽減されます。

q

近隣住民に知られずに作業してもらうことはできますか?

a

可能な限り配慮いたします。作業車両の看板を無地のものに変更したり、作業時間帯を調整したりするなど、プライバシーに配慮した対応を行っております。事前にご要望をお伺いしますので、気になる点があればお気軽にご相談ください。

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