故人の家を片付ける時に出てくる食器棚に入った大量の食器の数々・・・。
ここではその食器をどうするか、依頼するならどうしたら良いのか、高価なブランド食器までお教えします。
1、食器を取捨選択しましょう!
食事に使う食器は、実際にはどのくらいの種類があるのでしょうか。他の家族と比べる機会も少ないため、形見として使う食器の適切と思われる数を把握するのは非常に困難です。食器を上手に整理整頓するためには、形見として必要な食器の数を把握することも大切なことになります。
自分の家に似たような食器がある場合は持ち帰らない
故人の食器を形見にする場合、自宅にある似たような食器は持ち帰らないようにしましょう。なぜならば、同じような食器は自宅にある食器を優先に使うからです。
故人の家から持って帰った似たような食器は、思い出を持ち帰るだけで実際には使わない、食器は個人のデザインによる好みがありますので、たとえ同じような食器でも自分で選んで購入した食器を使うと思いませんか。
どのような食器を持ち帰ったら良いのか
まず、闇雲に持って帰るよりも、自宅の食器棚にある食器を把握して、自宅にない食器を故人の家から拝借するようにしましょう。
故人宅の食器棚の前に立ち、いざ食器の整理を始める段階になったら、その食器1枚1枚を見て「使いたいか」「使いたくないか」を決断しましょう。
使いたくないデザインならば処分対象にして、使いたい食器であれば自宅にあるかないかで判断しましょう。
同じような食器を持ち帰っても、食器棚に入れてずっと使わないことになってしまうかもしれません。
家に仏壇がある場合は、故人が使っていた食器を使って仏壇にお供えするお皿として何枚か持ち帰ると食器を捨てたとしても罪悪感はあまり感じないで済むと思います。
1−2、食器セットが5枚と6枚に分かれている理由
洋食器は6客組で和食器が5客組に分かれている理由はおわかりですか?俗説はたくさんありますが根拠として信じがたいものばかりです。
日本人が好む和食器
日本は奇数が縁起としていいから(割れない数字として)
日本は割れても困らないように一枚予備で5枚
十進法で五は値段もわかりやすいし計算も楽だから
亭主2枚、客2枚、予備1枚だから
どれも、納得出来る理由としてはイマイチですよね。
諸説として読んでください
1・茶道では、茶会席用の器は「5客1組」だったから
2・陰陽思想で奇数がめでたいという数字だったから
3・陶器は結婚式で使われることが多く、4や6は割り切れてしまう、割り切れない数字とした
4・ギフト用に業者の考えで「5客1組」が定着した
結局、被ってしまう理由になってしまいますが、その時代の家族模様に適した枚数になっているのだと思います。現在では、4セットが常識になりつつ時代ですが家族が4人といった時代の枚数に合わせた感じではないでしょうか。
1-3、食器はリサイクルで生まれ変わる
いままで、割らないように大切に使ってきた食器は処分するとなると少し罪悪感のような気持になったりすることがあります。
しかし、その食器を処分せずに貯めておいても活用することはその先あまりないと思います。
使わなくなった食器は、リサイクルすることで皆さんの身近で活躍しています。処分することでリサイクル(何かに活用)して生まれ変わることもあります。
処分した食器は、リサイクル工場へと運ばれ破砕機で粉砕されまた食器に生まれ変わるものもあれば、歩道のコンクリートに混ぜたりしてリサイクルされていきます。
埋め立てなどにしてしまうといくら広い土地があっても足りませんので、リサイクル技術を駆使して蘇っていきます。
もし騒音対策ができるならご自分で割ると気分がスッキリします。
食器を割るという行為は、騒音が伴いますよね。しかし、食器を割ることのストレス発散法は科学的にも証明されているセラピー効果があります。
その昔、夫婦喧嘩をするとお皿が飛び交っている光景がありました。それは、人間がストレスを感じたときモノにあたることが少なくありません。
そして、偶然にもお皿を投げたら割れる音が快感で高揚していた気分もスッキリして落ち着きを取り戻しました。それは自然に自分がわからないままお皿を割ったことによるストレス発散法だったのでしょう。
皿割りで厄払いもできるお寺もある。
鎌倉にある鎌倉宮、災厄を徐ける厄割石
鎌倉宮のご利益はいろいろとございますが、厄払いでご祈願される方がたくさんおられます。
境内にも厄払いのスポットがありますが、その中の一つに「厄割リ石」があります。
自分の息をそっと小さな素焼きの杯に吹きかけ、杯に厄を移し、設置されている石に投げつけて割ってしまうと厄除けになると言われています。
杯割り舎は、大鳥居をくぐってすぐ右手と、少し進んで拝殿へ上がる階段下の右手の2か所にあります。
杯を割るという行為にはアトラクション性もあって楽しいためか、多くの参拝者が厄除けの為に訪れています。
1-4、遺品の食器はどうしたらよいの?
もし、遺品整理をしていて食器が大量にあったり、使い手が居ないため処分することになった場合はご自分で処分する場合は、指定日に集積所へ出せば収集員の方が持って行ってくれます。
遺品整理業者に依頼する場合の食器の処分は、食器棚に入ったままの状態で構いません。食器棚は日ごろ使い慣れた家の食器棚であれば問題はないのですが、いざ人の家の食器棚から食器を取り出そうとするときには落として割ってしまうことが少なくありません。
そのような場合は、踏みつけてケガをする場合もありますのでそのままの状態で業者に依頼したほうが安心です。
1-5、クリーンサービスの取り組み
使わなくなった食器類は、ブランド食器(ノリタケ・マイセン・ウエッジウッド・ロイヤルコペンハーゲンなど)であれば国内で次の使い手へと渡っていきます。
ブランド食器以外の場合は、未使用品であれば寄付へと渡ってまいります。
極力、ゴミにしない取り組みを行っており一般的な業者よりも徹底したリサイクルを行っていきます。
2-1、故人が遺した食器で役立つ便利なもの
お年寄りや介助者が食べやすい、食べさせやすいを重視して作られた高齢者に優しい食器をご紹介していきます。いずれ自分が高齢者になった時に役に立つ情報かもしれません。
2-2、唇に力を入れなくてもスッと食べられる「スプーン」
握力の弱いお年寄りでも扱いやすい「オリジナルスプーン」
大分県の湯布院にある木工カトラリーの専門店「甲斐のぶお工房」が手掛ける天然木を使用して1本1本手作業で制作しているスプーン。
温かみのあるつややかな木製で、緩やかなカーブの持ち手が握りやすいと好評のお年寄りと介助者に支持されているスプーンです。
スプーンの先端が薄く作られており、唇に引っ掛かりにくく口に入れてもスッと引き抜くことができます。
先端の幅が狭く、大きく口を開けられない人でも使いやすく、誤嚥の防止にもつながります。
2-3、首を傾けずに飲めて誤嚥も防ぐ「湯呑み」
ゆるやかなくびれで滑りにくく握りやすい、涼しげな青い柄がお洒落な介護用湯呑み「ほのぼの有田焼」
「ほのぼの有田焼」は、握力や腕の力が弱ってコップをつかみにくい、飲み込む力が弱く、むせやすい、そんな悩みを解消する介護用の湯飲みです。
日本歯科大学・口腔リハビリテーションの院長が監修し、嚥下機能が低下した高齢者の飲みやすさを考えて作られました。
中空二重構造なので外側に熱が伝わりにくく、熱めのお茶を入れてもしっかり持てる、握れる。また、内側がV字状につぼまっているため、軽く湯飲みを傾けるだけで中身の飲み物が口に入ってくるので首を傾ける必要がないのです。
介護が必要な人にとって、飲み物を飲むときに頭と首を後ろに傾けるのは大変な事。この湯飲みは、姿勢を大きく変えずに飲むことが出来るので、負担も減ることは間違いありません。
2-4、最後の一口まですくいやすいお皿
曲線のフォルムが美しい白山陶器の食器「COMMO」シリーズ。
食べ物のすくいやすさを考えて作られたシリーズ、お皿のふちの部分が少し反り返っていてスプーンに反り返りを利用して乗せることが出来ます。
おかゆなどの流動食も、小さな豆もすくいやすいように設計されています。
2-5、食器が滑らない魔法のトレイ
両側が緩やかなカーブで持ちやすく、食器が滑りにくいノンスリップ加工が施されている「アイネストシリーズ、カーブマット&トレイ」
グラスを載せて傾けても滑らない設計で、高齢者で食事を運ぶときもお盆が揺れても食器が落ちにくくなっています。
トレイの両側が持ち上がったシンプルなデザインで、持った時にフィット感があり、グラスや食器を置くと吸い付くようにピタッとして、ある程度傾いても滑ることはありません。
2-6、握りやすいグリップで食事の介助がしやすい
グリップが付いた介助用のお皿「とんとんフィーディングディッシュ」3つのトレイに分かれているため食材が混ざることがなく、少量ずつおかずやおかゆを乗せて食べさせることができる。
何よりも、グリップがついているから片手でもって介助できるのがメリット。いちいちお皿を持ち替える必要がなく介護するのに負担を減らすことが可能です。