孤独死現場の臭い計測

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孤独死の特殊清掃について

特殊清掃のにおいとは?原因・除去方法・完全消臭のために知っておくべきこと

壁紙(クロス)についた腐敗臭の除去について

孤独死や長期間発見されなかった死亡事案などでは、腐敗によって発生した強いにおいが壁紙にまで染み込んでしまうことがあります。特にビニールクロスや紙製の壁紙は、表面だけでなく裏地や接着面ににおい成分が吸着・浸透するため、通常の清掃では除去が困難です。

この記事では、特殊清掃で発生するにおいの原因や、その消臭方法、実際の作業の流れまで、しっかりと解説していきます。

第三者機関で特殊清掃の薬剤を検証済み

20年以上の特殊清掃の実績と研究から生み出した

安全性と臭いを抑える自社薬液

腐敗臭の除去には専門的な薬剤と技術が不可欠です

腐敗臭は非常に強く、市販されている消臭スプレーや一般的な薬液では十分な効果を発揮することはできません。
そのため、においが残ったりしばらくして再発したりといった「二次的な被害」が発生するケースが多く見られます。


自社開発の専用薬剤で、確実なにおいの抑制を実現

弊社では、これまで対応してきた数多くの特殊清掃現場での経験をもとに、においの成分や発生メカニズムを研究・分析し、
独自に開発した特殊清掃専用の薬液を使用しています。

この薬液は、単ににおいを「ごまかす」のではなく、腐敗臭の原因となる成分そのものに化学的に反応し、分解・無臭化する働きを持っています。
これにより、従来の薬剤では対応できなかったレベルのにおいにも高い効果を発揮し、
再発のない確実な脱臭処理を可能にしています。

特殊清掃の現場の臭気分析

特殊清掃現場の臭気を計測して確実な施工を

臭気測定器を使って環境基準へ戻す

においの強さを見積もり時に測定し、環境基準値まで確実に抑えます

お見積もりの際には、専用の臭気測定器を用いて、現場のにおいの強さを数値で確認します。
そのうえで、国が定める環境基準である10ppm〜21ppm以下までにおいを抑えることを目標として、脱臭作業を計画・実施いたします。


特殊清掃は「片づけて終わり」ではありません

単に遺品を撤去したり清掃したりするだけで終わるのではなく、室内に残る腐敗臭や体液由来のにおいを徹底的に取り除くことが、特殊清掃の本質です。
弊社では、作業を途中で終えることなく、においが再発しない状態まで責任をもって対応いたします。


ご遺族と大家様が納得して契約を終えられるように

特殊清掃は、ご遺族にとっても物件の管理者にとっても、精神的・実務的に負担の大きい対応です。
だからこそ私たちは、双方が納得したうえでお部屋の契約を円満に終了できるよう、確実な清掃・脱臭と誠実な対応を心がけています。

特殊清掃の現場で発生するにおいの正体

① 死臭(腐敗臭)

孤独死や事故死の現場では、時間が経つごとに遺体が腐敗していき、やがて耐えがたい「死臭」が発生します。言葉では伝えきれないほどの強烈さで、嗅いだ瞬間に「うっ…」と顔を背けたくなるようなにおいです。

これは、カダベリンやプトレシンといった、腐敗の過程で出る化学物質が原因。アンモニアや硫化水素も混ざっていて、とにかく刺激が強い。マスクなどではまったく意味をなさず、ただそこにいるだけで頭が痛くなるような感覚に襲われます。

② 体液や血液によるにおい

遺体から漏れ出た体液や血液が床や畳に染み込むと、時間の経過とともに悪臭を放ち始めます。見た目はきれいになっていても、「なんかにおうな…」と感じたら、それはまさに隠れたにおい。気付かないうちに、部屋全体にじわじわ広がっているんです。

③ ごみ・生活汚れ・カビなどの複合臭

いわゆる「ごみ屋敷」や、何か月も放置された空き家。そんな場所では、腐った食べ物、カビ、ペットの排泄物、湿気、たばこのヤニなど、いろんなにおいが混ざり合って、何とも形容しがたい“地獄のようなにおい”が充満しています。

通常の芳香剤や消臭剤を使っても、「何の意味があったの?」と感じるほど、まったく効き目がないことも珍しくありません。

一般的な消臭では取れない理由

空間に広がるガス状のにおい成分

市販のスプレーをシューっとしても、部屋の空気がちょっといい香りになるだけ。でも実際は、その奥で悪臭の成分がしぶとく漂い続けているんです。目には見えないけど、確実にそこにいる。そんなイメージです。

壁・床・家具などへの「においの浸透」

腐敗臭や体液のにおいは、想像以上にしぶとく、床や壁の中にまで入り込んでいます。表面をいくら拭いても、「まだにおう…」ってなるのはそのせいです。

特に畳やクッションフロア、古い木の床などは吸収力も高くて、最悪の場合、床をはがして下地から交換という大掛かりな工事になることもあります。

■ 腐敗臭が壁紙につく原因

  • 室内の空気中に拡散した腐敗成分(アンモニア・硫化水素など)が壁紙表面や下地に付着
  • においの粒子が湿度や温度により、壁紙の繊維・接着剤にまで浸透
  • 時間の経過とともに、においが素材そのものに固定化される

特殊清掃における消臭の流れと方法

① 現場調査とにおいの原因特定

まずは、どのくらいのにおいがあるのか、どこから出ているのかをプロがしっかりチェックします。たとえば、強烈な死臭がこもっている場合は、数日かけてオゾン脱臭をする必要があることも。

② 汚れの除去と清掃

  • 血液や体液が染みた床材や家具、カーペットなどを撤去
  • 洗浄・消毒・除菌を徹底的に実施
  • 壁紙や床板をはがすこともある

正直、作業を見ていると「ここまでやるのか…」と思うほど徹底しています。でも、においの元を残したままでは意味がないんです。

③ 壁紙のにおい除去の方法

表面洗浄(軽度な場合)
 専用の分解型消臭剤を壁紙表面に噴霧し、反応後に丁寧に拭き取る作業を複数回行います。

薬剤浸透処理(中度以上の場合)
 表面処理だけでは効果が出にくいため、壁紙に染み込んだにおいを分解する中性~弱アルカリ性薬剤を段階的に塗布・反応・拭き取りします。

壁紙の撤去と下地処理(重度の場合)
 においが裏打ち紙やボードにまで浸透している場合は、壁紙を剥がし、下地ボードの洗浄・消毒・におい除去処理を実施。その後、新しいクロスを貼り直します。

オゾン脱臭処理
 仕上げとして、室内全体にオゾンを行き渡らせ、壁面に残る微量なにおいを分解・無臭化します。

■ 注意点

  • においが強く残っている状態でリフォーム(クロスの張替え)だけを行っても、下地に残ったにおいが再発することがあります。
  • におい除去後には、臭気測定器で数値を確認し、環境基準(10〜20ppm以下)に達していることを必ず確認するのが安心です。

特殊清掃のにおい除去にかかる費用と日数

項目費用目安(税込)所要時間の目安
オゾン脱臭作業30,000円〜80,000円6時間〜3日間
臭源の除去・床解体50,000円〜150,000円半日〜1日
消毒・除菌作業20,000円〜50,000円数時間〜半日

※においの強さや部屋の広さによって、時間も費用も大きく変動します。実際の現場を見ないと正確にはわかりません。


よくある質問(FAQ)

Q. 完全ににおいは消せるの?
→ ほとんどのケースで、適切に処理すれば「無臭化」が可能です。ただ、床の奥まで染みている場合などは、一部解体やリフォームが必要になることもあります。

Q. 消臭作業だけお願いできる?
→ 業者によっては対応してくれるところもあります。ただし、においの元が残ったままだと、せっかく消しても再発する可能性があるため、清掃とセットで行うのが最も確実です。

Q. 消臭後、部屋って貸せる状態になる?
→ 多くの業者が原状回復や簡易リフォームにも対応しているため、再び住める状態に戻すことが可能です。オーナーや管理会社と相談すれば、スムーズに進むことが多いです。

他の特殊清掃を謳っている業者に頼んだけれどにおいが残っている

他業者による清掃後に寄せられる、よくあるご相談内容について

上記のようなケースは、他業者に依頼して清掃を行った後に「においが残っている」「またにおいが出てきた」といったご相談として、弊社によく寄せられる内容のひとつです。

多くの業者では、壁紙(クロス)の洗浄や丁寧な拭き取り作業を十分に行っておらず、においの再発(いわゆる“におい戻り”)や脱臭処理の不備といった問題が発生しています。


クロスを剥がせば解決するわけではありません

「クロスを剥がさないとにおいは取れない」と誤解されることもありますが、
実際には、脱臭のために必要な処置そのものが適切に実施されていないために、においの問題が解決できていないのです。


脱臭処理の目的と重要性

壁紙は最終的に張り替えることが多いものの、その前に丁寧な脱臭処理を行うことには大きな意味があります。

  • 職人が張り替え作業を行う際に、においを気にせず安全に作業できるようにする
  • 作業中やその後ににおいが外部へ漏れ、近隣に迷惑をかけないようにする

このような理由からも、張り替え前の壁面に対する脱臭処理は欠かせない工程です。


オゾンだけでは脱臭は不可能

高性能なオゾン脱臭機を使用しても、においの原因物質が壁紙や下地に残っていれば、オゾンは十分な効果を発揮しません。
オゾンはあくまでも空間の脱臭補助であり、表面や内部に残ったにおい成分を分解・除去する薬剤処理がなければ、完全脱臭には至らないのです。


脱臭とは「においをなくす」のではなく、「原因を取り除く」こと

脱臭の本質は、「においを感じなくすること」ではなく、「においの原因物質を分解・除去すること」です。
そのため、清掃後のにおい再発を防ぐには、丁寧な壁面処理と脱臭工程の確実な実施が不可欠です。

特殊清掃のプライド

特殊清掃における作業前後の臭気測定について

私たちは孤独死の清掃業者として現在まで22年間もの間、多数の事案にたずさわってまいりました。その中には見たこともない争いも目にしてきましたしご遺族とオーナーが納得するような作業を現場が終わるたびに考えてきました。

特殊清掃においては、「においが取れたかどうか」を鼻の感覚だけで判断するのではなく、臭気測定器を用いて数値的に確認することが非常に重要です。

作業前後で臭気を測定することで、脱臭の効果を客観的に把握できるだけでなく、施工の完了基準としても非常に有効です。


■ 臭気測定の目的

  • においの強度を数値化し、主観に頼らない確認を可能にする
  • 作業完了の判定や報告資料として第三者への説明がしやすくなる
  • 再発の兆候があれば早期対応につなげられる

■ 測定のタイミング

  1. 作業前(初回現場確認時)
     室内にどれほど強いにおいがこもっているかを把握し、作業計画の立案に役立てます。
  2. 中間確認(脱臭工程後など)
     においがどの程度除去されたかを段階的に確認。再処理の必要性を判断します。
  3. 作業完了後(最終確認)
     最終的な臭気数値が**環境基準(目安として10〜20ppm以下)**に達しているかどうかを確認します。

■ 臭気測定に使われる機器例

  • ポータブル臭気計(例:ニオイセンサー、臭気モニター)
  • 数値表示付きで、ppm単位やにおい強度ランクで確認可能
臭い測定器で計測

臭いの「見える化」で安心と納得の特殊清掃を

「においの見える化」で、安心と信頼の空間再生を

人間の嗅覚では、においを数値的・客観的に判断することはできません。
そのため、弊社では特殊清掃後に専用の臭気測定器を用いて、においのレベルを数値化(見える化)し、作業の前後でどれだけ改善されたかをデータとして記録しています。


■ においの感じ方には個人差があります

たとえ数値上は「においゼロ」に近い状態であっても、最初に強いにおいを体験してしまうと、脳がその記憶を保持しており、実際にはにおわなくても“においがする気がする”と感じてしまうことがあります。

こうした感覚的な不安を払拭するためにも、「においの見える化」による数値的な証明が重要です。


■ 作業前後のにおいを数値で比較・記録

作業前と作業後にそれぞれ臭気を測定し、データはパソコンに保存・管理します。
これにより、においの除去がどれほど効果を発揮したかを、ご依頼者様・ご遺族・管理会社・大家様などすべての関係者が客観的に確認できます。


■ においの見える化がもたらすメリット

✅ 万が一のトラブル時にも「数値で証明」できる

✅ 次の入居者にも安心して住んでもらえる

✅ 大家様とご遺族の間のトラブルを防げる

✅ リフォーム会社や管理会社とのやり取りがスムーズになる

特殊清掃後の臭いをパソコンで計測
臭いのモニタリング

特殊清掃は、正直なところ過酷な現場も多いです。でも、それだけに「きれいになって、もうにおわない!」と実感したときの安堵感は格別です。誰かの「普通の生活」を取り戻すための、大切な仕事なのです。

  • この記事を書いた人

増田 祐次

遺品整理・特殊清掃の専門家として25年間業務に従事(遺品整理人®︎ 商標登録:第5967866号)
2000年に遺品整理・孤独死の特殊清掃専門の遺品整理クリーンサービスを創業、2010年に株式会社ToDo-Company として法人化し専門チームの孤独死清掃本部を設立、遺品整理人を育成している。 受賞歴:銀賞 2018 NEW YORK FESTIVAL LONELY DEATHS (孤独な死) ザ・ノンフィクション「孤独死の向こう側 ~27歳の遺品整理人~」視聴率歴代7位

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