「遺品整理は、ある日突然やってきます。」
これは、私たち遺品整理クリーンサービスが長年、たくさんのご遺族に寄り添わせていただく中で生まれた言葉です。
定年を迎えるまで一生懸命働き、これからようやく好きなことをして穏やかに過ごしたい。誰にも迷惑をかけずに、静かに人生を締めくくりたい。そう願いながら最期を迎えられる方は、実はそう多くはないのかもしれません。
誰にでも、思いがけない病気や事故は訪れます。人生の締めくくりは、なかなか思うようにはいかないものです。
今回は、そんな中で私たちが出会った、葛飾区にお住まいだったF様との時間を、ご紹介させていただきます。

目次
競馬をこよなく愛した弟様
お部屋に伺い、最初に目に飛び込んできたのは、丁寧に飾られた数多くの馬の写真でした。
お兄様がやさしく語ってくださいました。弟様は若い頃から競馬が好きで、開催日には朝から晩まで競馬場や観戦できる場所へ足を運び、一日をそこで過ごすほど夢中になっていらっしゃったそうです。
年齢を重ねるにつれて足を運ぶ回数は少しずつ減っていったものの、定年後に時間ができると、また競馬場へ向かう日々が戻ってきたといいます。お部屋には、額縁に大切に飾られた有名な馬たちの写真や、思い出の当たり馬券が並んでいました。それはきっと、弟様にとってかけがえのない、心を豊かにしてくれる時間だったのだと思います。

生前、心を通わせていたご近所の方
遺品整理をしていると、近所にお住まいの年配の女性が、そっと声をかけてくださいました。
「引っ越しですか?」
同席していた大家さんが、静かにお伝えになりました。
「Fさんが、亡くなられたんです。それで、お部屋の整理をしているところなんですよ」
その女性は、このお部屋にお住まいだった故人ととても仲が良かった方でした。つい三日前にも、ご自分が作られた煮物を「おいしい」と食べてくださったばかりだったそうです。
「どうして、知らせてくれなかったの……」
そう寂しそうにおっしゃったのですが、私たちがその場に居合わせたわけではなかったため、精一杯の言葉でお気持ちに寄り添うことしかできませんでした。
しばらくの間、女性は「信じられない、信じたくない」というお気持ちを抱えながら、その場に立ち尽くしていらっしゃいました。
故人は外出の際、玄関先で咳払いをされることがあり、それを気にする近隣の声もあったそうです。けれど、その女性はこうおっしゃいました。「そんなことで、あの人の人柄が悪いなんてことは全然ない。むしろ、挨拶もろくにしない人が多い中で、あの人は自分からきちんと挨拶をしてくれる、優しい人だった」と。
私たちも遺品整理を始める前には、必ず近隣の皆様へご挨拶に伺います。実際に顔を合わせてお話しできる方と、インターホン越しだけの対応になる方とでは、その後にお伝えできる想いの深さが違うように感じています。
ちょっとした習慣や見た目だけで人を判断せず、その人の本当のあたたかさに気づいてくださる方がいた。それは、故人にとってもきっと、救いだったのではないかと思います。

三日前まで、いつもと変わらぬ日常
体調を崩されたのは、本当につい先日のことでした。三日前には、「今日も寒いね」と、いつものように近所の女性に笑顔で声をかけていらっしゃったそうです。
その日の夜、急に体調が悪化されたのではないかと、検視の結果からは考えられています。気温が下がる中、暖房のないお部屋で、風邪の症状に一人耐えていらっしゃったのかもしれません。
もともと喘息をお持ちで、時折咳き込む声が聞こえることもあったそうです。
最終的には、インフルエンザから肺炎へと進行してしまったとのことでした。異変に気づいてくださったのは、隣の部屋にお住まいの男性でした。夜中に苦しそうな咳の音が聞こえ、心配になって朝声をかけたものの返事がなく、「もしかして」と大家さんに連絡をとってくださったそうです。鍵を開けてお部屋に入ると、故人は静かに息を引き取られていました。
小さな異変に気づき、行動してくださった隣人の方の思いやりが、故人を一人きりのままにしなかったのだと感じています。

静かな部屋に残された時間の記憶
お兄様のお話では、故人はあまり掃除が得意な方ではなかったそうです。お部屋には生活の跡がそのまま残っており、暖房のない中でどんなふうに冬を過ごされていたのだろうと、胸が締めつけられる思いがしました。
こたつの上には8枚もの毛布が重ねられており、その下には長年風を通していない、薄くなった敷布団が敷かれていました。おそらく、そのこたつのそばで眠る夜が多かったのだと思います。
四畳半一間、お風呂はなく、トイレは共同、キッチンは部屋の隅に。決して広くはないけれど、暮らしに必要なものがきちんと揃った、故人らしい空間でした。
そして、押し入れや引き出しの中には、大切にしまわれた競走馬の写真の数々。当たり馬券も、丁寧に写真と一緒に額に収められていました。
物質的な豊かさよりも、心から好きなものに時間と想いを注いだ人生。それは、誰かに測られるものではなく、故人にとって確かに幸せな時間だったのだろうと、私たちは感じています。

遺品整理クリーンサービスへのご依頼の経緯
今回、突然のご逝去に伴い、お兄様は葬儀やさまざまな手続きに追われていらっしゃいました。ご自身も高齢で、重い荷物や貴重品の捜索を一人で行うことが難しく、狭い階段での作業にはケガの不安もあったといいます。大切な弟様が過ごされたお部屋を、大家さんへきちんとした形でお返ししたい。そんな想いから、私たち遺品整理クリーンサービスにお声がけいただきました。
近年、数多くの遺品整理業者がある中で、目先の利益ではなく、真心を込めて丁寧に向き合う会社は決して多くはないのが実情です。不用品回収業から発展した業者も多く、思いがけない追加オプション費用が発生してしまうケースも少なくありません。
私たちはお見積りの段階から作業内容や貴重品の確認について丁寧にお打ち合わせをさせていただき、大家さんにも立ち会っていただきながら、明け渡しができる状態までお部屋を清掃いたしました。

ご遺族様からいただいたお言葉
作業の始まりはとても手際よく進み、「大切なものまで運ばれてしまうのでは」とご不安に思われていたそうですが、あらかじめお伝えいただいていたもの以外にも、テレホンカードや靴の中敷きに挟まれていたへそくりなど、思いがけない品を丁寧に見つけ出すことができました。それをとても喜んでくださったことを、私たちも嬉しく思っています。
「こんなに丁寧に、心を込めて探してくれる業者さんに出会えるとは思わなかった。自分の時も、ぜひお願いしたい」
そうおっしゃっていただきました。
ご遺族様がお忙しい中、ご自身で何も掃除をすることなくお部屋を返却できたことに、「本当に大変なお仕事なんですね」と、その大切さを実感していただけたようです。
そして最後に、お心づかいの品をいただいた際には、思わず涙ぐんでいらっしゃったとお聞きしました。
私たちも、今回F様のお力になれたことを、大切な経験として胸に刻んでいます。これからも、悲しみの中にいらっしゃるご遺族お一人おひとりに寄り添いながら、丁寧なお手伝いを続けてまいります。
葛飾区のF様へ、心よりお悔やみを申し上げます。この度は、遺品整理クリーンサービスをご利用いただき、誠にありがとうございました。

葛飾区の遺品整理でよくある質問
遺品の中に故人の思い出の品と不用品が混ざっている場合、どう仕分ければいいですか?
ご遺族様だけで一つひとつ判断するのはお辛い作業だと思います。私たちスタッフが一緒に確認しながら、「残す・供養する・処分する」の仕分けをサポートいたしますので、ご遺族様のご負担を最小限に抑えることができます。
遺品整理と一緒に、仏壇や神棚の閉眼供養(お焚き上げ)もお願いできますか?
はい、提携している寺院や神社と連携し、閉眼供養やお焚き上げの手配も承っております。ご希望に応じて、ご供養から遺品整理まで一括してご依頼いただけます。
見積り後にキャンセルすることはできますか?追加費用は発生しませんか?
お見積りは無料で行っておりますので、内容にご納得いただけない場合はキャンセルしていただいて構いません。また、事前のお打ち合わせで作業範囲をしっかり確認しておりますので、当日になって高額な追加費用が発生することはございません。
遺品整理の費用はどのくらいかかりますか?
お部屋の広さや残されているお荷物の量、作業内容(清掃・供養・買取の有無など)によって大きく変わります。今回のF様のケースのように、四畳半一間程度のお部屋であれば比較的短時間・低コストで対応できることもあります。正確な金額は、現地でのお見積りをおすすめしております。
孤独死や事故現場でも対応してもらえますか?
はい、対応しております。特殊清掃が必要なケースも含め、専門的な知識と経験を持ったスタッフが、ご遺族様のお気持ちに寄り添いながら丁寧に作業を行います。
貴重品や思い出の品を間違って処分されないか心配です。
お見積り段階で、残していただきたい物のリストを事前にお伺いしております。また、作業中も貴重品や思い出の品(写真、手紙、へそくりなど)を見落とさないよう、一つひとつ丁寧に確認しながら進めております。
大家さんへの明け渡しにも対応してもらえますか?
はい。大家さんに立ち会っていただきながら、退去に必要な清掃まで含めて対応することが可能です。今回のF様のケースでも、検視終了から明け渡しまでを一日で完了しております。
ご近所への配慮はしてもらえますか?
作業前には必ず近隣の皆様へご挨拶に伺っております。物音や搬出作業などでご迷惑をおかけしないよう、細心の注意を払いながら進めております
依頼から作業完了までどのくらいの期間がかかりますか?
お部屋の状況にもよりますが、今回のケースでは検視終了後から約4時間で作業を完了しております。急を要する場合も、できる限り早急に対応いたします。
遠方に住んでいて立ち会いが難しい場合はどうすればいいですか?
お電話やオンラインでのお打ち合わせ、写真や動画でのご確認など、立ち会いが難しいご遺族様にも対応できる方法をご用意しております。まずはお気軽にご相談ください。
