自分がお部屋で亡くなった家族の孤独死に直面したら、判例から見る原状回復と特殊清掃の手配

2017年9月3日

悩み

身内が孤独死で発見されてどうしたらいいかわからない・・・

臭いで近隣に迷惑を掛けてしまっている・・・

原状回復で大家ともめたくない・・・

といったお悩みに現場で孤独死の清掃作業をしている専門家がお答えいたします。

結論

孤独死の特殊清掃はリフォーム業者やお片付け業者では臭いを消臭することは不可能です。まずは、どこまでしっかりとした作業をしてくれるのか、最悪大家さんと原状回復でもめてしまった場合裁判になるケースがあるためどのような作業をしたか出廷してくれるのかなどをきちんと聞いて責任を持って対応してくれる業者を選ぶことが円満解決へとつながっていきます。

認定医遺品整理人:番号 00085 号

年間で数百件の孤独死の特殊清掃に携わり、数々の現場をトラブルがないように解決してきました。

実際の現場で培った知見によって記事をお伝えし、どうしていいかという道しるべがご提供できればと思っています。

孤独死の特殊清掃にかかわる記事は今後も続けていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

過去に起きた孤独死に関するトラブル

孤独死(異常死、自然死)に関する取扱い方については人の死に関するデリケートな事柄などからはっきりとした線引きがまだありません。よって、遺体が腐敗していて年月が経過している場合により特殊清掃が必要と判断された場合には事故物件になってしまうこともございます。

しかし、心理的瑕疵物件など心理的瑕疵というのはそこに住む人がなにかしらの心配がある場合そのように呼ばれることもございますが、そもそも心理的不安があるひとが好んで住むことはありません。

要するに、遺族側と大家側でもめてしまうことは、「過剰なリフォーム」「部屋の価値」「原状回復費用」となるわけです。私たちも何度か法廷でお勉強をさせていただいたことがございますが、必要箇所以外のリフォームによる費用の請求で双方がもめることが多いように感じます。

孤独死におけるガイドライン(国土交通省)

国土交通省は令和3年にパブリックコメント付きでガイドライン案を出しました。これによって原状回復による遺族側と大家側のトラブルに線引きができるようにしようとしたのですが、あくまでも「決まり」ではないため実際には原状回復費用は遺族側と大家側でよく話し合うことが望ましいと思います。

大家側は遺失損益などによって物件の価値を気にすることがおおく、遺族側としても孤独死は故意ではないことからどこかで意見がすれ違ってしまうとトラブルに発展してしまうこともございます。

ひとまず、宅建取引におけるガイドラインにはなりますが現在では入居をする際に何かあったときのために補償費用などを預かっている仲介業者もあります。

パブリックコメント一覧(国土交通省)

宅地建物取引業者によるガイドライン

孤独死というのは自然死がほとんどになると思います。しかし、すべてが事故物件に該当するわけではありません。当事者(ご遺族)以外は事故物件への先入観があり内容をしらない人もいらっしゃいます。大家側がこころない発言をすることもありますし遺族側が放棄してしまって大家が困ってしまうことも見てまいりました。ガイドライン案はまだ協議が必要にはなると思いますがひとまずはまとまったようです。

発見は早いに越したことがない

孤独死の発見まで時間が掛かってしまった場合には、通常の退室清掃ではお部屋の明け渡し終了へ円満解決できるようにはならないため特殊清掃が必要になってしまいます。遺品は運び出しができても、躯体についてしまった臭い取り(脱臭)はとても手間がかかり短時間では元通りになることはありません。

場合によれば、リフォームが必要になってしまったり次の借主が見つからないまま空き室になってしまい家賃収入も入ってこないお部屋になってしまうこともございます。

そうならないためにも、早めに発見して清掃もしっかりとした業者で施工することが各方面が金銭的に安く済むようになります。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

トラブルを目の当たりにして感じたこと

孤独死があったことは仕方がないこと、人はいつか必ず死がやってきます。人生で見れば死亡率は100%の生き物です、永遠に生きられる人はいません。病院で死ぬか住み慣れた家で死ぬかです。

ただし、賃貸物件を提供している大家さんにとっては風評被害が付きまとってしまいます。最近ではなくなった人の場所を投稿するサイトまで現れました。それにより次の入居者が付きづらいといったこともございます。

遺族側に対し大家側が感情的になる場面も多数目撃してきましたが、孤独死をするということは故意ではなく事故物件でもないと個人的には思っています。

臭いが蔓延しないで数日間程度で発見された状態ならば原状回復費用も数万円程度で済む可能性があります。長期間そのままの状態にしていれば状況は刻々と悪化していきます。

遺族側と大家側のトラブルになってしまう原因は、

  • 代替わりした大家
  • 範囲以外をリフォームする行為
  • 特殊清掃をしないで放棄してしまう遺族
  • リフォームを焚きつけるリフォーム業者

この中で近年2020年以降に急増しているのがリフォーム業者が焚きつけるリフォーム工事です。

遺族側と大家側の不安を利用して部屋のすべてを変えないと臭いが落ちないといった根拠もない施工内容です。死臭というのは丁寧に手作業と機械でお部屋のコンディショナーを整えることによって臭いは取れます。

臭いが取れないのならば今現在日本は孤独死をした部屋が空き室だらけになってしまいます。臭いが取れているから次の入居者が住めるわけです。

要するに、リフォーム業者は小さな仕事(小規模範囲)ではなく部屋一式のリフォームを請け負いたいわけであり、目に見えない臭いを利用し大家側に部屋のすべてのリフォーム工事を提案します。それを受けた大家は遺族側にこれだけかかるといった説明を受けます。

しかし、遺族側も何百万円といった請求を受け入れることもできないため拒否します。

そこから、両者が原状回復に伴うトラブルに発展していきます。リフォーム業者は火をつけて対岸で見ているだけになります。

そのような焚きつけリフォーム被害に遭うのは遺族側大家側にとっても被害者です。私たちはそのようなトラブルの中に入って裁判所で証人として出廷させていただいた実績が何度もございます。

第三者として冷静に物事を見極めるとリフォーム業者が孤独死の特殊清掃ができないにも関わらず請け負って自分の利益だけを考え遺族側と大家側を焚きつける商売のやり口が浮き彫りになりました。

以前に、どのような作業をしたのかを問いただすためにリフォーム業者に出廷要請を出しましたが、きちんとした施工をしていないために出廷拒否を申し出てまいりました。

当然、私たちと遺族は正当な理由と意見、施工内容で判定は結審となりましたが最後まで責任を持たないリフォーム業者にはきちんとした見極めが必要になってまいります。

孤独死の原状回復は必要箇所の責任を持つことは仕方がないことだと思いますが、範囲外であれば闘う覚悟を持つことが出費を抑えることができます。

孤独死は決して故意ではない、誰しもが亡くなってしまう可能性は十分あります。大家さんが孤独死をしているケースもたくさんあります。原状回復費用は起きてしまった事実にいかに両者が早急に話し合ってどこまでを責任を持つのかをはっきりと決めることも必要になってまいります。

どちらが悪いではなく、無駄に焚きつけられないためにどちらもきちんとした見極めをできるようにしたいですね。

みんなに教える

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