孤独死発見

孤独死を発見したらどうする?孤独死から清掃の流れ

2021年6月2日

  • 「ハエがすごくいたから窓をのぞいたら発見してしまった・・・」
  • 「連絡が取れなかったから部屋に行ってみたら・・・」
  • 「住民から電話があって様子を見に行ったら・・・」

ポイント

この記事は遺品整理人である専門家が実際の現場での知見を遺品整理で困っている方へ向けて発信している記事となっています。もし、あなたの周りで遺品整理に困っている方がいたらその人に記事を教えていただけたらうれしいです。より多くの方に記事をお届けし悩みを解決することができればと願っています。

孤独死ということばの由来

孤独死とは誰にもみとられることなくひとりで暮らしていた部屋で死後日数が経過して発見されたことを孤独死という造語で表しています。孤独死という言葉は2000年ころからメディアであつかわれはじめました。そして孤立死ということばもそのころに行政などで表現されるようになりました。

私たちは孤独死と呼ばれる現場を専門的にみてきてひとつの結論にいたりました。孤独死と呼ばれる案件の多くが誰かしら家族や知人と連絡をとっており突発的な発作などによって亡くなった死だということで故人に配慮した形で自宅で亡くなったのだから自宅死だろうと。

遺品整理人ライセンス

専門家:遺品整理人No.00085

年間700件以上の案件に立ち会い孤独死と呼ばれる物件の清掃を行っています。

そこで私が実際に現場で得た知見をもとにみなさまに専門家でなければ語れないことや孤独死という言葉をなくすために日々奮闘している活動などをわかりやすくお伝えできるようにしています。

一人暮らしの死亡を発見したら

近頃、近所のひとの姿を見なくなったしなんかいつもと違った臭いを嗅いだりして窓から住民が倒れているのを発見したら、

  • 亡くなっているかわからない場合はすぐに救急車を呼ぼう

異臭がなくただ倒れているのを確認できる場合には救急車119番通報をして、救急隊がくるまで待機しましょう。そして部屋まで案内できるように道路沿いに到着するまでたっておくとわかりやすいと思います。

救急隊が到着して倒れていた人に息がある場合は病院に搬送すると思いますが、息をしていない場合には救急隊が警察へ通報してくれます。

  • 亡くなっていて異臭が漂っている場合にはすぐに警察に通報しよう

腐敗がはじまるとどうしても遺体からは臭いを発することになります。そのような確認ができる場合には迷わず警察へ通報し現場検証のために不必要にものなどを触らないようにしましょう。警察が現場を調べるのは事件なのか自然死なのかということを明らかにするため事件であれば不必要に触って指紋がでたら疑わられてしまいますのでそのようなことをしないようにしましょう。

ポイント

もしも、亡くなったひとの親族の電話番号を知っている場合には警察に知らせることで親族に連絡することができるのでメモに書いて警察に渡せば大丈夫です。

親族の連絡先などを知らない場合には当該物件の管理会社と大家さんの連絡先を伝えると助かると思います。

現場検証と遺族への連絡

孤独死が発生するとまず事件なのか自然死なのかを検証しなくてはなりません。孤独死案件ではあまり事件性があることはありませんが日数が経過していると遺体が腐敗してみるも絶えない姿になっている場合があるのですぐにだれだれさんとわかることはありません。

遺族に連絡しようとも保証人をたどっていって故人の血縁関係に可能性があるかどうかを確かめなくてはなりませんが、問題があります。

スムーズに保証人に連絡がつけばよいのですが保証人が故人よりもさきに死亡していたりする場合に確認しようと電話をしても使われていない可能性があるからです。

現在では賃貸契約書がないというケースはないと思いますが、昔の場合には信用貸し(契約書なし)で部屋を貸していた場合保証人などの電話番号さえわからない場合があります。

そして、もうひとつ故人はまったくのひとり身だったのかということです。

遺族が見つかった場合

孤独死をしていた故人の保証人や遺族(血縁関係)を警察または役所が調べて見つかった場合にはその遺族に連絡が行きどこでどのようにくらしていて故人となって発見された旨を聞いて安置所に確認しにいくことになります。

そして血縁関係を調べるために書類などが必要になります。用意しておくとよいもの3つ

  • ご自分の印鑑
  • 故人とのつながりが確認できる戸籍謄本・住民票
  • 何日か掛かる場合の着替えなど

DNA鑑定をしなくて死亡届を役所に出して火葬許可証をもらい遺体が火葬できるようになったら遺骨を火葬して火葬場にお迎えに行きます。

遺族が見つからない、引き取り拒否の場合

発見までの日数が何年も経過していて親族がだれも見つからない場合や見つかったけれど遺骨の引き取り拒否などをされた場合には「行旅死亡人取扱法」(こうりょしぼうにん)となり地元の自治体が火葬します。誰も引き取り手がなく一定期間を過ぎた場合は「無縁塚」(むえんづか)に埋葬されます。

最近では、故人がどこでなにをしていたのかわからないほどの疎遠関係にある家族も多くいらっしゃるために遺骨の引き取り拒否をするひとも増えてきています。

家族関係はそれぞれなのでそれがわるいかどうかは他の家族にはどうしようもありませんので仕方がないことなのです。

ですが、さいごに身内がいて引き取り拒否をするほどの迷惑を掛けてしまったことになんかさびしいきもちになりますよね。

故人の葬儀

孤独死の遺体で発見された故人の搬送や葬儀はかんたんでもやっておいたほうが気持ちの面でもいいでしょう。いまは大々的な葬儀を行う必要もありませんが疎遠になっていた故人と対面し火葬する前のさいごの姿になるわけですから見れるような状態であれば見ておいたほうがいいかもしれません。

故人発見から火葬まで目まぐるしい日々が通り過ぎていきますがオーバーペースにならないように気を付けたほうがいいです。せっかく故人のために遠方からきて倒れてしまってはそれから先にいろいろな手配や手続きができなくなってしまうこともありますのでまずは火葬までに集中するようにしましょう。

遺族が複数で動ける場合には、葬儀の手配をするひとや部屋の清掃の手配をするひとなどで分担することもひとりにかかる負担も軽減されます。

遺品整理と清掃

賃貸物件の場合には次の入居者のためにリフォームをしなければなりませんが、孤独死の体液の清掃と脱臭作業は遺品整理専門の業者に依頼するようにしましょう。そして遺品整理から清掃消毒までの流れをご紹介します。

ステップ1:現場検証

もしも、近隣の方や身内の方が横たわって息をしておらず異臭を放っている状態でしたら警察に通報をしましょう。事件性があるかわからないので部屋の中には入らないようにしましょう。

DNA鑑定が必要な場合には死因の特定と血縁関係がわかるまで日数がかかります。警察の許可がでるまで部屋には入れないのでその間に大家さんと許可が出てからの清掃と業者のスケジュールを伝えておくとよいでしょう。

ポイント

賃貸物件の場合には大家さんは全体のスケジュールがわからないととても不安になりますし、リフォームの手配も遅れてしまいますのでいまの現状でもいいので伝えるようにしましょう。

DNA鑑定は早いところでは1週間くらいですが時間がかかるところでは2カ月くらいの幅がありますので注意が必要です。

ポイント

人間からでた体液は水分と油分がでますので遺体を搬送しても流れ出てしまった体液は建物を腐食させてしまいます。日数が経過するほど事態はおもくなりますので放っておいて良いことは遺族側・大家側ともにありません。警察の許可が出る前に腐敗した臭いで近隣が引越してしまう恐れもありますし苦情が出たり悪質な風評被害サイトに掲載されてしまうことも多々ありますのでなるべく早くに部屋に入れるように問い合わせるようにしましょう。

ステップ2:現地見積もり

現場検証やDNA鑑定が終わったら部屋の中に入ることが可能になりますが注意点があります。

ポイント

孤独死をした部屋には大量の大腸菌が発生しています。大腸菌はどこにでも発生している菌ですが猛毒性になると0-157になり腸内に重度の炎症がおきます。一般的な大腸菌は感染すると下痢を引き起こします。

現地の見積もりには初期の除菌が必要になりますが当社では大腸菌を滅菌できる除菌液でお部屋に入って見積もりをいたします。

shaken
検査結果合格
分析結果報告:合格

お部屋にどのくらいの菌が発生しているかは目では確認できませんがそのまま入室して下痢を引き起こさないようにすることが必要です。市販の除菌剤は誰が使っても安全なように効果が出ないような薄い濃度で販売しているため滅菌効果はありません。むしろほとんどが水と考えたほうがようでしょう。

0-157に感染してしまうと重度の下痢や腹痛が起き小さな子供や高齢者では死亡する恐れもありますので必ず除菌しながらお部屋に入ることが必要になります。

そして異臭を嗅ぎながら生活している近隣のためにも孤独死の清掃は早急に行わなくてはなりません。

ステップ3:孤独死清掃の実施

お見積内容にご納得いただいたら直近の最短日程で施工いたしますので現在臭いが発生している場合でも3日以内には一時的に臭いがおさまるでしょう。本格的に臭いを抑えるには1週間から2週間くらいの脱臭作業が必要になりますが一時的に臭いを抑えるのならば最短日程で可能です。

そして、亡くなった場所がどこだったのかを把握してタタミの上ならばその下に体液が浸透していないかタタミをあげて確認したり、床であれば床下まで体液が浸透していないか確認して浸透しているようであれば切除し洗浄と消毒をしなければなりません。

ご注意

タタミだけをどかしたから臭いが発生しなくなるのではなくて体液が浸透した場所自体を洗浄しなければ臭いがおさまることはありません。

ひとの体内には予想以上の体液が入っていて、ひとたび流れ出してしまうと最初は水のようにしたたってしまい隙間から下へ流れて行ってしまいます。その反面で体液の油分に関しては壁のボードや柱などをつたって上に浸透していきます。油なので下におちるのではなくにじみやすいものににじんでいくといった感じになります。

ステップ4:遺品整理も同時に実施

孤独死の清掃と同時に故人が残した遺品の整理も行っていきますがすべてを処分してしまうわけではありません。

  • 通帳や印鑑
  • 登記簿・権利書・賃貸契約書
  • 貴重品・宝飾品
  • 現金・クレジットカード・ポイントカード
  • 携帯・パソコン
  • 年賀状・手紙
  • テレホンカード・PASMOなど

孤独死の清掃の箇所を洗浄している間に遺品の整理を行って上記のようなものが出てくる場合には別の保管箱に入れ、ご遺族に確認してから処理するか持ち帰るかの判断をしていきます。もちろんお部屋の中には洗浄するために強い薬を散布しているため保管箱をスタッフが外に持っていくので安心できると思います。

ステップ5:脱臭と消臭作業

お部屋の中が空っぽになったら消臭と脱臭作業に移っていきます。消臭作業では手作業でおこない消臭と脱臭を繰り返しながらもともとの生活の匂いになるように何回も繰り返しながら戻していきます。

除菌は瞬間的にできますが消臭は何度も繰り返しながら施工しなければならず何時間ということで消臭ができるわけではありません。

原状回復工事をするのだから問題ないのではと思うかもしれませんが、問題はそこではなく工事をする大工が臭いがあると部屋に入りたがらないという問題があるため臭いを残さないようにきっちりと脱臭を行うことが必要になります。

そして、大工さんでは脱臭能力があるわけではないのでわたしたちのような専門業者が脱臭すれば工事後に臭いが逆戻りすることが防げるのです。

ステップ6:無事明け渡し

すべての工程が終了して臭いも生活臭レベルに戻すことができればほぼ臭いません。生活臭はそれぞれのご家庭の臭いがございますが苦痛に感じる臭いではありませんのでそこまでもどれば壁紙の張替えやタタミの表替え、床の張替えなどをして新しい入居者を迎えられるようになります。

孤独死の清掃は緊急性があるケースがほとんどですがなるべく早急に対処すれば話がこじれてしまうこともありません。大体こじれてしまうケースはそのままにしておく日数が一定期間を超えてしまうと近隣などの苦情によりすべてが悪い方向へと向かって行ってしまいます。

そうならないためにも早めの対処が必要ですし、悪質な事故物件サイトのような掲載もされないように対策することが大家さんやご遺族にとっては必要な知識となります。もしも近隣の方が発見した場合であってもご遺族や故人、大家さんのことを考えて事故物件サイトのようなところへの投稿はしないようにしましょう。

業者に頼むメリット

  • 遺体跡を見なくて済む
  • 確実に大家さんへ部屋を返せる
  • 自分たちで汚泥した個所を掃除しなくて済む
  • ほかの死亡後の手続きに時間が使える
  • 賠償金額が安くなる
  • 臭いがなくなる
  • 「どうしよう」という悩みがなくなる
  • 故人に報告ができる
  • 大家さんとのトラブルを回避できる
  • 近隣からの苦情がなくなる

これまで数多くの案件に対応してきてトラブルになってしまうことは「まちがった選択をしないこと」です。

中途半端にすれば必ずトラブルになり大家さんとの明け渡しの交渉などももめてしまう傾向があります。経験の浅い業者に頼むと荷物の移動はできても消臭や脱臭がいい加減でご遺族と大家さんのトラブルに発展してしまったひとを見てきました。

他の業者が施工した物件で脱臭作業がいい加減な場合、手直しすることがその業者では限界です。まちがった選択をしないことがすべてのスムーズにお部屋を返却するうえで必要になってまいります。

専門的な業者に依頼することでご遺族様には上記のようなメリットを手に入れることができますが、早め早めの処置がトラブルに発展しない唯一の方法です。

故人を偲ぶのは清掃が終わってから

大家さんが不安に感じてしまうのは「風評被害」です。

ちらほら事故物件サイトと記事中に出てきたと思いますがそのサイトに掲載されてしまうと運営者に依頼しても消去することがありません。事故物件でもないのにこころないひとの投稿で事故物件扱いになってしまう恐れがあるんです。

そうなったときに大家さんが部屋を貸している物件が事故物件で掲載されていると入居者がなかなか決まらず部屋が空いたままになってしまいます。当然その間は家賃も入ってこないため収入もありません。

できるならばそのようなサイトに掲載されないように未然にきちんと清掃して修繕することが望ましいとも言えます。事故物件の内容は「自殺や殺人」があった部屋が対象として濃厚ですが近年では孤独死のあった物件も掲載されているような状況です。

本来孤独死というのは自然死または異常死に該当することから事故物件ではありませんでした。しかし、孤独死物件に住んで面白がる人がいるために事故物件のイメージがついてしまっている現代です。

ご遺族と大家さんの苦悩を考えればそのように面白がったりすることは許されることではないのですが面白がっている人にはわからないのでしょう。

これは、2021年の5月20日に国土交通省から発表された「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」です。

孤独死を発見したらなるべく早くに通報するなどして、ご遺族も故人のためや大家さんのために孤独死の清掃を優先順位の最優先項目にしてお部屋を清掃した後に故人に報告し偲ぶほうがすべてが丸く収まると思います。

私たちは「あなたのお悩みを解決する」遺品整理・孤独死清掃の専門家です。

孤独死の清掃について

  • 自分で孤独死の清掃がしたいが心情的にできない・・・
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