死亡後の手続き完全ガイド|期限順に必要な届出・申請

2017/7/20

この記事の要点

  • 死亡後最初に行う手続きは「死亡届」の提出で、期限は死亡を知った日から7日以内。
  • 14日以内に、介護保険資格喪失届・住民票抹消届・世帯主変更届・遺言書の検認が必要。
  • 相続放棄の期限は死亡後3か月以内、相続税の申告・納税は死亡後10か月以内。
  • 手続きと並行して遺品整理も必要になるため、負担軽減のために専門業者へ依頼するご遺族も多い。

ご家族が亡くなられた後、遺されたご遺族には数多くの手続きが待っています。

  • 何から手をつければいいのかわからない
  • 葬儀の準備と同時に、期限のある手続きも進めなければならない
  • 遺品整理も並行して行わないと、家賃の支払いなどが発生してしまう

このように、悲しみに向き合う間もなく、次々と対応しなければならないことが重なるのが、大切な方を亡くされた後の現実です。この記事では、死亡後に必要な手続きを「期限」の順に整理し、それぞれの手続き先・必要書類までまとめてご紹介します。

この記事の監修者

年間700件以上のさまざまな案件に携わってきた遺品整理人が、わかりやすく情報をお伝えできるよう記事を監修しています。

私自身も一人っ子として、家族が亡くなった際の手続きをすべて一人で担った経験があります。手続きに追われる大変さを実感しているからこそ、同じ状況にある方の力になれればという想いでこの記事を作成しました。

死亡後の手続き一覧(期限順)

まずは全体像を把握できるよう、主な手続きを期限順に一覧表にまとめました。

手続き名期限手続き先
死亡届・埋葬許可申請死亡を知った日から7日以内死亡地・本籍地・住所地いずれかの市区町村窓口
火葬・埋葬許可申請死亡届と同時死亡届と同じ窓口
年金受給停止の手続き速やかに年金事務所・年金相談センター
介護保険資格喪失届死亡後14日以内市区町村の福祉課窓口
住民票の抹消届死亡後14日以内市区町村の戸籍・住民登録窓口
世帯主の変更届死亡後14日以内市区町村の戸籍・住民登録窓口
遺言書の検認発見後速やかに故人の住所地の家庭裁判所
雇用保険受給資格者証の返還死亡後1か月以内受給していた管轄のハローワーク
相続放棄死亡後3か月以内管轄の家庭裁判所
所得税の準確定申告・納税死亡後4か月以内故人の住所地の税務署
相続税の申告・納税死亡後10か月以内故人の住所地の税務署
生命保険金の請求死亡後2年以内契約していた生命保険会社

期限が短いものから順に、それぞれ詳しく解説していきます。

死亡後7日以内に行う手続き

死亡届の提出

ご家族が亡くなったら、病院の医師が発行する「死亡診断書」を持って、市区町村役場へ死亡届を提出します。死亡届が受理されなければ、火葬・埋葬の許可証が発行されず、葬儀を行うこともできません。できるだけ速やかに提出しましょう。

夜間・土日祝日でも受付している窓口が多いですが、時間外受付を行っていない自治体もあるため、事前に電話で確認しておくと安心です。

届出人になれるのは、故人の親族のほか、同居人、家主、地主、管理人、後見人、保佐人、補助人、任意後見人などです。

期限:死亡を知った日から7日以内(国外にいる場合は3か月以内) 手続き先:死亡地・本籍地・住所地いずれかの市区町村の戸籍・住民登録窓口 必要なもの:医師による死亡診断書、届出人の印鑑

火葬・埋葬許可申請

火葬・埋葬は、死亡後24時間が経過するまで行うことができません。また、実施には市区町村の許可が必要です。申請は、火葬・埋葬を行う方が行います。

期限:死亡届と同時に申請 手続き先:死亡届と同じ窓口 必要なもの:死体の火葬埋葬許可証の交付申請書

年金の受給停止手続き

故人が65歳以上で年金を受給していた場合、受給停止の手続きを速やかに行う必要があります。手続きを怠ると、年金が支払われ続けてしまい、死亡の事実が判明した時点で受給済みの金額を一括で返還請求されたり、故意に手続きをしなかった場合は詐欺容疑で逮捕されるケースもあります。必ず速やかに手続きを行いましょう。

死亡後14日以内に行う手続き

介護保険資格喪失届

65歳以上の方、または40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた方が亡くなった場合は、介護被保険者証を返還する必要があります。65歳以上の方が亡くなった場合、介護保険料は月割りで計算され、未払い分があれば相続人に請求されます。逆に納めすぎていた場合は還付されます。

期限:死亡後14日以内 手続き先:市区町村の福祉課などの窓口 必要なもの:介護被保険者証、介護保険の資格喪失届書

住民票の抹消届

死亡届の提出により、住民票登録は自動的に抹消されます。この抹消された住民票のことを「住民票の除票」と呼びます。

期限:死亡後14日以内 手続き先:市区町村の戸籍・住民登録窓口 必要なもの:届出人の印鑑、本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)

世帯主の変更届

故人が世帯主だった場合、その世帯に15歳以上の方が2名以上いるときは、新しい世帯主の届出が必要です。世帯に残る方が1名のみの場合は、自動的にその方が世帯主となります。

期限:死亡後14日以内 手続き先:市区町村の戸籍・住民登録窓口 必要なもの:届出人の印鑑、本人確認書類

遺言書の検認

公正証書遺言以外(自筆証書遺言・秘密証書遺言)が見つかった場合は、速やかに家庭裁判所での検認手続きが必要です。検認前に遺言書を開封したり、手続きを怠って失効させてしまったりすると、罰金が科されることがあるため注意が必要です。

期限:発見後、できるだけ速やかに 手続き先:故人の住所地の家庭裁判所 必要なもの:未開封の遺言書原本、遺言者の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、相続を受ける方の戸籍謄本

死亡後1か月〜2年以内に行う手続き

雇用保険受給資格者証の返還

故人がハローワークから失業給付を受けていた場合、受給資格者証を返還する必要があります。

期限:死亡後1か月以内 手続き先:受給していた管轄のハローワーク 必要なもの:受給資格者証、死亡診断書、住民票

相続放棄

故人の財産を一切受け継がない場合は、相続放棄の手続きが必要です。意思表示をしなければ自動的に相続したものとみなされるため、放棄を希望する場合は必ず手続きを行いましょう。

期限:死亡後3か月以内 手続き先:管轄の家庭裁判所 必要なもの:相続放棄申述書、放棄する方の戸籍謄本、故人の除籍謄本、住民票の除票など

所得税の準確定申告・納税

故人が自営業者、または年収2,000万円以上の給与所得者だった場合、相続人が代わって確定申告を行う必要があります。これを「準確定申告」といいます。

期限:死亡後4か月以内 手続き先:故人の住所地の税務署、または勤務先 必要なもの:1月1日から死亡日までの所得の申告書、生命保険・損害保険の控除証明書、医療費控除のための領収書など

相続税の申告・納税

故人の財産総額が基礎控除額を超える場合、申告・納税が必要です。

現行の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。相続税額が0円になる場合でも、小規模宅地の特例や配偶者控除などの特例を受けるには申告が必須です。

期限:死亡後10か月以内 手続き先:故人の住所地を管轄する税務署(納税は税務署・金融機関・郵便局)

生命保険金の請求

故人が生命保険に加入していた場合、請求手続きにより死亡保険金が支払われます。

期限:死亡後2年以内 手続き先:契約していた生命保険会社 必要なもの:死亡保険金請求書、保険証券、死亡診断書、受取人の印鑑証明書など

名義変更が必要な主な手続き一覧

死亡後の届出のほかに、故人名義の各種契約についても名義変更や解約の手続きが必要です。

対象期限手続き先必要なもの(主な例)
預貯金相続後速やかに預入先の金融機関名義変更依頼書、故人・相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書、通帳
不動産相続後速やかに法務局登記申請書、故人の戸籍謄本・除籍謄本、住民票除票、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書、固定資産評価証明書
株式相続後速やかに証券会社または発行法人株式名義書換請求書、株券、故人の戸籍謄本・除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書
自動車の所有権移転相続から15日以内陸運局支局移転登録申請書、車検証、故人・相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書、委任状、車庫証明書など
電話加入権相続確定後速やかにNTT電話加入権継承届、故人・相続人の戸籍謄本、印鑑証明書
公共料金相続後速やかに電力会社・水道局・ガス会社各社への電話問い合わせ
クレジットカード相続後速やかに各カード会社解約手続き書類(各社指定)
運転免許証死亡後速やかに最寄りの警察署
パスポート死亡後速やかに都道府県旅券課
携帯電話死亡後速やかに各携帯電話会社
ゴルフ会員権など死亡後速やかに各ゴルフ場ゴルフ場により規定が異なり、クラブによる買い取りとなる場合もあるため要問い合わせ

在職中に亡くなった場合の手続き

在職中の従業員が亡くなった場合、勤務先では「死亡退職」の扱いとなります。ご遺族が行うべき対応は以下の通りです。

  • 会社への死亡届の提出
  • 社員証・身分証明書・制服・貸与書類などの返還

会社側は、社会保険事務所などへ以下のような手続きを行う必要があります。

  • 従業員が生計を維持していた場合の「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」
  • 業務中・通勤中の災害による死亡の場合の「遺族補償年金」「遺族一時金」

死亡退職金について

退職金規定のある会社では、死亡退職した従業員に対しても「死亡退職金」が支払われます。勤務年数や最終役職に応じた金額に、未払い給与や慰労金などが加味されて支払われるのが一般的です。

なお、死亡退職金は「みなし相続財産」として扱われるため、相続税の課税対象になります。

手続きに追われる中で、遺品整理をする時間はあるのか

ここまでご紹介してきた手続きだけでも、これだけの種類と期限があります。しかし、ご遺族が向き合わなければならないのは、これだけではありません。並行して「遺品整理」も進めていく必要があるのです。

故人と離れて暮らしていた場合、どこに何が保管されているかわからず、必要な書類を探すだけでも時間がかかってしまうことがあります。慣れない手続きのために役所や関係機関を何度も行き来しなければならず、書類の不備で再提出になることも少なくありません。

家族で分担しようとしても、提出者が指定されている書類があり、結局は一人で動かざるを得ないケースも多くあります。悲しみに向き合う間もなく、気づけば手続きだけで数日が過ぎてしまう、というご遺族も少なくありません。

このような状況だからこそ、遺品整理は信頼できる専門業者に依頼することをおすすめします。手続きと並行して遺品整理を進めてもらうことで、ご遺族は行政手続きに集中する時間を確保でき、心身の負担を大きく軽減することができます。

よくある質問

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死亡後、最初に行うべき手続きは何ですか?

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死亡届の提出です。死亡を知った日から7日以内に、死亡地・本籍地・住所地いずれかの市区町村窓口に提出します。死亡届が受理されないと、火葬・埋葬の許可証が発行されず、葬儀も行えません。

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年金を受け取っていた家族が亡くなった場合、何もしないとどうなりますか?

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手続きをしないまま年金が支払われ続けると、死亡の事実が判明した時点で受給済みの金額の一括返還を求められることがあります。故意に届出をしなかった場合は、詐欺容疑に問われるケースもあるため、速やかな手続きが必要です。

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相続放棄をしたい場合、期限はありますか?

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死亡後3か月以内に、管轄の家庭裁判所で手続きを行う必要があります。この期限内に意思表示をしなければ、自動的に相続したものとみなされます。

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手続きと遺品整理を同時に進めることはできますか?

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可能です。むしろ、期限のある行政手続きに時間を取られる中で、遺品整理まで一人で対応するのは大きな負担になります。専門業者に遺品整理を依頼することで、ご遺族は手続きに専念でき、負担を分散させることができます。

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