孤独死の特殊清掃について

死臭はどんな臭い生前にも発生するの!?こんな匂いがしたら死のサイン

2021年5月29日

  1. HOME >
  2. サービスについて >
  3. 孤独死の特殊清掃について >

死臭はどんな臭い生前にも発生するの!?こんな匂いがしたら死のサイン

2021年5月29日

「死臭(ししゅう)」とは、主に死後に発生する特有の臭いを指します。これは、遺体が腐敗・分解される過程で発生するガスや化学物質によって引き起こされるものであり、生前に死臭が発生することはありません。

死後、人体では細菌や酵素の働きによって自己融解(自己分解)が始まり、やがて腐敗が進行します。この過程で、タンパク質の分解によりアンモニア、硫化水素、カダベリン、プトレシンといった揮発性の化学物質が発生し、それらが混ざり合うことで「死臭」と呼ばれる強烈な臭いが生まれます。

死臭の強さや発生時期は、環境要因によって異なります。高温多湿な環境では腐敗が早く進行し、短時間で強い臭いが発生します。一方で、低温や乾燥した環境では腐敗が遅く進行し、死臭の発生も抑えられます。また、死因や遺体の状態によっても臭いの種類が変わることがあり、たとえば感染症や内臓の損傷を伴う場合には、通常と異なる腐敗臭が発生することもあります。

なお、「生前に死臭がする」と感じる場合、それは「死臭」ではなく、体臭や口臭などが強まったものである可能性が高いと考えられます。特に重い病気を患っている場合、臓器の機能が低下することによって、体内の代謝物や毒素が体臭・口臭として発せられることがあり、これを「死前臭(しぜんしゅう)」と呼ぶことがあります。

死前臭は、体が限界に近づいた際に発する最後の生理的サインとされますが、死後に発生する「死臭」とは全く異なるものです。

したがって、生前にいわゆる「死臭」がするということはありません。不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、体臭や口臭の変化は体調の変化や疾患のサインであり、専門的な診断やケアが必要な場合もあります。必要に応じて医療機関にご相談いただくことをおすすめいたします。


最近、室内から酸味を帯びたような異臭がすることに気づいた

部屋全体にカビのような、こもった臭いを感じる

アンモニアに似た刺激臭が漂っているように思える

結論から

「死前臭」とは、死が近づいた人の体から発せられる特有の臭いを指す言葉です。これは、体の代謝が低下し、内臓機能が衰えることによって、特定の化学物質が体外へ放出されることで発生すると考えられています。

具体的には、アンモニア、ケトン体、硫黄化合物などが関与している可能性があり、これらの成分が混ざり合うことで独特な臭気が生まれるとされています。また、病気の進行や臓器不全により、体内の老廃物が十分に排出されなくなることも、臭いの発生に影響する一因です。

この現象は、特に末期のがん患者や長期の寝たきり状態にある方に見られることが多くあります。たとえば、肝機能や腎機能が著しく低下すると、本来であれば尿や汗として排出されるはずの毒素が体内に蓄積し、それが汗や呼気を通じて体外に放出されることで、臭いが強まる場合があります。

さらに、代謝の変化によって皮脂の成分も変質し、通常とは異なる体臭を放つこともあります。このような「死前臭」は、現在のところ医学的に完全に解明されているわけではありませんが、介護や看護の現場では実際に感じ取られることがあり、終末期ケアに関わる専門職の間でも注目されている現象です。

「死臭とは何か、気になる方へ」

病気で入院されている方は、治療のためにさまざまな薬剤の投与を受けることがあります。これにより、一部の臓器に負担がかかり、体の代謝や排出機能が一時的に低下することがあります。場合によっては、体内で老廃物が十分に処理されず、汗や皮脂、呼気などを通じて独特の体臭として現れることがあります。

また、入院中は病状や治療の都合により入浴が制限される場合があり、皮膚表面に皮脂や角質(いわゆるアカ)がたまりやすくなることもあります。これも体臭の一因となることがあります。

こうした変化は、治療や看護の過程で自然に起こりうるものであり、必要に応じて医療スタッフが適切に対応しています。

病院では、薬剤や消毒剤など、さまざまな独特の臭いを感じることがあります。しかし、いわゆる「死臭」はそれとは全く異なる種類のもので、腐敗に伴って発生する非常に強烈かつ不快な臭いです。

この臭いは空間全体に広がるほどの強さがあり、一般の方にとっては長時間とどまることが困難なほど強烈な刺激を伴う場合があります。中には、数分間で体調を崩されたり、嘔吐の反応を示される方もいらっしゃいます。

本記事では、この「死臭」とはどのような臭いなのか、その原因や成分、感じ方の個人差について、より詳しく解説いたします。

「死臭はどんな臭い? 知っておきたい基礎知識」

死臭

死臭とは、人の体の臓器が機能を停止し、死後に腐敗が進行する過程で発生する特有の臭いを指します。

この臭いは非常に複雑で、明確に「これと同じ匂い」と表現することが難しいものですが、あえて例えるなら、動物性のたんぱく質(肉や魚など)が腐敗したときに発生する強烈な腐敗臭に近いとされます。

ただし、死臭には人の体特有の成分(アンモニア、硫化水素、カダベリン、プトレシンなど)が混ざり合っており、一般的な腐敗臭とは異なる独特の刺激と不快感を伴います。

本当の死臭は非常に強烈なため、嗅いだ瞬間に臭いの刺激が脳へと伝わり、嗅覚が一時的に過敏または麻痺したような状態になることがあります。その結果、空気の入れ替えを行った後でも臭いが取れていないように感じたり、自分の体からその臭いが発せられているような錯覚を覚えることもあります。

このような現象は、死臭の強さと人間の感覚が結びついた反応であり、実際には臭いが消えていても脳が「まだ残っている」と認識してしまうケースです。強烈な臭気に長時間さらされた場合は、このような感覚が数時間~半日ほど続くこともあるため、適切な換気や休息、専門業者による対応が重要です。

このように強い臭いを嗅いだ後は、嗅覚が一時的に鈍化したり、異臭が残っているように感じられることがあります。その際には、「嗅覚をリセットする」ための方法として、コーヒー豆の香りを嗅ぐという対処法が知られています。

コーヒー豆には独特で安定した香りがあり、一時的に嗅覚のバランスを整える働きがあるとされており、香水売り場などでも香りの比較の際に使用されています。これは科学的に完全に解明された方法ではありませんが、多くの現場で実践されている手軽な対処法のひとつです。

次に、死期が近づいた方から特有の臭い(いわゆる「死前臭」)が発せられる原因について、ご説明いたします。

死前臭や体臭は病名によって分類されることもあります

病名

死臭には、甘い臭いやすっぱい臭い、あるいはアンモニアのような刺激臭など、さまざまな表現がありますが、これらの匂いには特定の病気との関連があると考えられています。特に末期の病気や臓器不全などの場合、体内の代謝物がうまく排出されず、それが呼気や皮膚を通じて体外に出ることで、独特の体臭や口臭が発生することがあります。

以下は、病気と関連があるとされる代表的な臭いの例です:

  • 甘酸っぱい臭い:糖尿病や代謝異常の可能性
  • 腐った卵のような臭い:肝機能の低下や消化器系の異常
  • カビ臭:肺や呼吸器系の疾患
  • 腐った肉のような臭い:組織の壊死や進行した感染症
  • アンモニア臭:腎機能の低下や尿毒症の兆候

これらの臭いが感じられた場合には、放置せずに医療機関での相談をおすすめいたします。単なる生活臭とは異なる、生理的・病理的なサインである可能性があるためです。

甘酸っぱい匂い

甘酸っぱい匂いがする口臭は、主に糖尿病を患っている方や、その予備軍である可能性がある方に見られる症状の一つです。これは、体内の代謝異常により「ケトン体」と呼ばれる物質が生成され、それが呼気を通じて甘酸っぱい臭いとして外に出ることによって発生します。

また、過度なダイエットや断食を行っている場合にも、同様に体内の糖分不足によりケトン体が増え、似たような口臭が出ることがあります。そのため、糖尿病でない方でも一時的に同様の臭いがすることがあり、「もしかして糖尿病では?」と不安に感じられる場合もあるかもしれません。

このような甘酸っぱい口臭が続く場合には、糖尿病の早期兆候である可能性も考えられますので、医療機関での血糖値検査などを受けることが推奨されます。

腐った卵の匂い

口臭が腐った卵のような臭いを発している場合、胃腸の不調や消化器系の疾患が関係している可能性があります。これは、食べたものがうまく消化されず、胃の中で異常発酵を起こすことによって発生するガスが原因です。

発酵によって生じた硫黄系ガス(硫化水素など)が血流に乗って肺へ運ばれ、呼気として排出されることで、口臭となって表れることがあります。

特に、胃腸が弱っている状態や、暴飲暴食、消化不良を起こしている際にこのような臭いが強くなる傾向があります。臭いが長期間続く場合は、消化器内科などでの受診を検討されるとよいでしょう。

カビ臭

口臭や体臭においてカビのような臭いを感じる場合、肝臓の機能低下が関係している可能性があります。肝臓の病気、特に肝硬変などでは、体内に本来分解・排出されるべきアンモニアや代謝産物が蓄積し、それが臭いとして現れることがあります。

このような臭いは、カビや湿った布のような匂いに感じられることもあり、特にお酒の過剰摂取などで肝臓に負担がかかっている方に見られるケースがあります。

カビ臭のような体臭が継続して感じられる場合は、肝機能の低下を示している可能性もあるため、早めに医療機関での検査を受けることが望ましいでしょう。

腐った肉のような匂い

腐った肉のような臭いがする場合、口腔内の疾患(虫歯、歯周病、口内炎など)や、のど・気道の炎症、さらには肺炎などの呼吸器系の感染症が原因であることが考えられます。これらの病気によって細菌が増殖し、組織の損傷や膿などが発生することで、腐敗臭に近い臭いが生じることがあります。

この臭いは、いわゆる「死臭」と呼ばれるものに感覚的に近いと感じる方もいますが、死臭は人体全体が腐敗し始めた段階で発生する非常に強烈な臭いであり、性質としては異なります。

腐った肉のような臭いが継続して感じられる場合には、呼吸器や口腔内の病気が進行している可能性もありますので、早めの診察を受けることが推奨されます。

アンモニア臭

アンモニア臭とは、尿のような刺激的な臭いのことで、主に腎機能が低下している場合や尿毒症などの病気に関連して発生することがあります。

腎臓の働きが弱まると、体内の老廃物やアンモニア成分がうまく排出されず、血液中に蓄積されてしまいます。それにより、アンモニアのような臭いが呼気や皮膚、汗などを通じて体外に放出されるようになり、特有の体臭や口臭として現れるのです。

このような臭いが続く場合は、腎機能の検査を含め、医療機関での診察を受けることが推奨されます。

「生前に感じる特有の臭い──死前臭の原因と特徴」

生前の死臭

生前に「死臭のような匂い」が感じられる場合、その原因の多くは、重い病気を抱えていることによって発せられる特有の口臭や体臭であると考えられます。

これらの臭いは、糖尿病や肝機能・腎機能の低下、あるいは消化器や呼吸器系の疾患などによって、体内の代謝異常や老廃物の蓄積が進むことで発生するものです。実際には死後に発生する「死臭」とは異なりますが、臭いの質や強さから死臭に近い印象を与えることがあります。

このような体臭や口臭の変化は、身体の不調を知らせる重要なサインのひとつであり、継続的に感じられる場合には、医療機関での検査を受けることが推奨されます。

一般的に「死期が近づくと死相が出ている」といわれることがありますが、匂いに関しても、それぞれの方が抱えている病気に伴って特有の体臭や口臭が発生する場合があります。

ただし、これらの臭いはあくまでも生前の身体状態によるものであり、「死臭」とは異なるものです。死臭とは、死亡後に臓器や組織が腐敗していく過程で発生する、非常に特有で強い臭いを指します。

どのような病気で亡くなった場合でも、死後の腐敗が始まると発生する臭いは共通しており、それが「死臭」です。つまり、病気ごとに死臭の“種類”があるわけではなく、死臭はあくまで死後に起こる一つの現象として存在します。

多くの場合、生前に「死臭」と表現されているものは、実際には病気に伴って発生する体臭や口臭、いわゆる「病気臭」であると考えられます。

これらの臭いは、重篤な疾患や臓器機能の低下によって体内に老廃物が蓄積し、それが呼気や汗を通じて体外に放出されることによって発生します。死臭とは本来、死後の腐敗過程で生じるものであり、生前に感じる臭いとは性質が異なります。

生前に感じられる特有の臭いが「死臭のように感じられる」と思われることがありますが、実際に死後に発生する死臭は、腐敗による極めて強烈な臭いであり、長時間嗅ぎ続けると体調を崩すほどの刺激を伴うことがあります。

そのため、生前に感じられる臭いは、臓器の機能低下や疾患によって発生する「病気臭」である場合がほとんどです。これは、体内の老廃物や代謝産物が正常に排出されなくなった結果、呼気や汗、皮膚から発せられる臭いです。

死臭は、一般的な生活の中で接する機会がほとんどなく、どのような臭いか気になるという方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、実際には非常に強い不快感を伴うため、あえて体験しようとするのではなく、可能であればそのような状況に立ち会わずに済むよう備えることが望ましいでしょう。

「死臭を経験した際の心理的・身体的反応について」

後遺症

死臭は非常に強烈な臭いであり、嗅いだ瞬間に脳や嗅覚が過剰に反応し、強い不快感を引き起こすことがあります。特に嗅覚が敏感な方にとっては、一度経験すると「もう二度と嗅ぎたくない」と感じるほど、強い印象が残る場合もあります。

なお、亡くなって間もない場合は、適切な処置(冷蔵または冷凍)によって腐敗が進まず、死臭が発生しにくいことが一般的です。しかし、発見までに日数が経過し、腐敗が進行した場合には、死臭は空間全体に広がるだけでなく、衣類や髪、皮膚などにも染み付くように感じられ、しばらく臭いが抜けないことがあります。

このような強烈な臭気に長時間さらされると、体調不良や精神的なストレスにつながることもあるため、専門の清掃業者による対応が重要です。

死臭を経験したあと、浴室で体を洗っても、一度では臭いが取れていないように感じて何度も洗いたくなることがあります。

しかし実際には、体に臭いが染みついているのではなく、強烈な臭いを嗅いだことによって、嗅覚や脳がその感覚を「記憶」してしまい、臭いが残っているように錯覚している状態です。これは嗅覚疲労や感覚残留といった現象に近く、臭いの実体がなくても、再びその臭いを感じてしまうことがあります。

このような場合は、無理に体を洗い続けるよりも、時間を置いたり、新鮮な空気に触れて感覚をリセットすることが効果的です。

「後遺症」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、孤独死などの特殊清掃に関わっていると、作業後の日常生活の中でも、ふとした瞬間に死臭の記憶がよみがえることがあります。

たとえば、食事中やくつろいでいるときに、あのときの臭いを突然思い出し、不快感を覚えることがあります。これは、多くの場合、嗅覚が強烈な臭いを記憶しており、リセットされていないことが原因とされています。

対処法としては、コーヒー豆の香りを袋のまま嗅ぐことで嗅覚のリセットが促されるといわれており、香水売り場などでも実際に使われている方法です。

ただし、コーヒーの香りが苦手な方の場合は、無理に嗅ぐ必要はありません。時間の経過とともに嗅覚が徐々に回復し、臭いの記憶も次第に薄れていくため、無理をせず自然に回復を待つことも有効な手段です。

死臭に慣れてしまうこと──特殊清掃員が抱える「職業的感覚鈍麻」

職業病

一般の方が死臭を直接嗅ぐ機会は、日常生活においてほとんどないと言えるでしょう。
しかし、私たちのように孤独死や長期間放置された現場の清掃を専門とする職業では、死臭に日常的に接することがあり、これが「職業病」と呼べる感覚に近いものを引き起こすこともあります。

実際のところ、死臭はどのような病気で亡くなったかによって大きく変わるわけではありません。たしかに故人の体調や疾患によってわずかな違いがある場合もありますが、本質的には「死臭は死臭」であり、共通して非常に強烈かつ忘れがたい臭いです。

唯一の違いがあるとすれば、亡くなってからの時間経過による腐敗の進行度です。発見が早ければ臭いの強さも比較的軽度で済みますが、長期間経過した場合は腐敗が進み、臭いも格段に強烈になります。

特に日数が経過した現場では、作業後もしばらくの間、鼻や脳がその臭いを「記憶」してしまい、日常生活の中でふとした瞬間にその記憶がよみがえり、嗚咽が出るような感覚に襲われることもあります。

このような経験は、肉体的な負担だけでなく、精神的なストレスとして蓄積されるため、清掃作業にあたるスタッフ自身の心身ケアも非常に重要です。

病院での最期と、長期間放置された死後の現場──その臭いの違いについて

死前臭

医療現場では、看護師の方から「死が近づいた方から独特の臭いがする」という声を聞くことがあります。この場合に言われている「死臭」とは、正確には「死前臭(しぜんしゅう)」と呼ばれるものです。

人が最期を迎える直前には、臓器の機能が大きく低下し、代謝が変化することで、体内の老廃物が十分に処理されなくなります。その結果、糖尿病や腎機能障害、肝疾患などの病気を抱えている場合には、口臭や体臭として特有の匂いが現れることがあります。これが「死前臭」として感じ取られる要因です。

一方で、私たちが「死臭」と呼ぶものは、亡くなった後に臓器が完全に停止し、腐敗が始まってから発生する非常に強烈な臭いです。死前臭とは性質も発生の仕組みもまったく異なります。

つまり、医療現場で「死臭」と表現されているものは、正確には「死前の体内変化にともなう臭い」であり、本来の意味での死臭とは区別されるべきものです。

「死前臭」と「死臭」は、似ているものと感じられるかもしれませんが、実際には全く異なるものです。
死前臭は、臓器の機能が著しく低下し、体内の老廃物や代謝物が体外に排出されることで発生する、比較的穏やかな体臭や口臭です。

一方、死臭とは、臓器が完全に停止し、死後に腐敗が始まった段階で発生する極めて強烈な臭いを指します。
この死臭は、一般の方が嗅ぐには非常に強い刺激を伴い、短時間であっても体調を崩してしまうほどの不快感を与えることがあります。

たしかに、亡くなる直前にも臓器の衰えにより特有の臭いが生じる場合がありますが、死後の腐敗によって発生する死臭とは、匂いの質も強さも比べものにならないほど異なります。

もし病院内で「死臭」と呼ばれるような強い腐敗臭が漂っていたとすれば、それは極めて異常な状況であり、大きな問題となる可能性があります。

死臭は本来、死後に時間が経過し、遺体が腐敗する過程で発生する非常に強烈な臭いです。通常、病院では亡くなった方に対して速やかに適切な処置(冷却や搬送など)が行われるため、死臭が漂うことはまずありません。

万が一、病院内でそのような臭いがした場合は、腐敗が進んだ遺体や異常事態がある可能性が考えられます。そうした臭いが漂えば、お見舞いの方や患者、職員などの間に強い不安や不快感が広がり、清潔で安心できるはずの病院の信頼性にも大きな影響を与えかねません。

つまり、病院で死臭が発生しているとすれば、それは明らかに緊急かつ例外的な事態であり、即座の対応が必要とされます。

「死前臭」とは、病気などにより臓器の機能が弱まり、体内の老廃物や代謝物が排出されることで発生する臭いを指します。一方、「死臭」は、臓器の機能が完全に停止し、死後に腐敗が進行する過程で発生する極めて強烈な臭いです。

このように整理すると:

  • 死前臭:臓器が弱ったことによる体臭・口臭
  • 死臭:臓器が完全に停止し、腐敗によって発生する臭い

と覚えておくとよいでしょう。

なお、臭いに対する感覚は人それぞれですが、死前臭と死臭は発生の原因・強さ・性質がまったく異なるものです。正しく理解し、混同しないように意識することが大切です。

シェア
遺品整理メニュー背景

この記事を書いた人 増田 祐次

2000年に遺品整理・孤独死の特殊清掃専門の遺品整理クリーンサービスを創業、2010年に株式会社ToDo-Company として法人化し専門チームの孤独死清掃本部を設立、遺品整理人を育成している。「遺品整理人®︎商標登録:第5967866号」 受賞歴:銀賞 2018 NEW YORK FESTIVAL LONELY DEATHS (孤独な死) ザ・ノンフィクション「孤独死の向こう側 ~27歳の遺品整理人~」視聴率歴代7位

-孤独死の特殊清掃について