浴槽・トイレの特殊清掃は排水管洗浄が必須|ToDo-Company

2022/4/17
浴槽からの排水管洗浄の様子

浴槽・トイレでのご逝去後、なぜ排水管洗浄が欠かせないのか

浴槽やトイレでお身体が発見された現場では、居室内をどれだけ丁寧に清掃・消臭しても、それだけでは臭いが解決しないことがあります。原因は、目に見えない場所——排水管の内部です。体液は排水口から配管の奥へと流れ込み、パイプの壁面にこびりついたまま、臭いの発生源であり続けます。私たちは、こうした現場では排水管そのものを洗浄しない限り、本当の意味での消臭は終わらないと考えています。

排水管から近隣へ臭いが伝わってしまう理由

マンションなどの集合住宅では、排水管は1本の縦管を通じて上下階の部屋とつながっています。そのため、居室側の清掃をどれだけ徹底しても、排水管の内部が汚れたままだと、その臭いが管を伝って階下や隣室にまで届いてしまうことがあります。「部屋はきれいになったはずなのに、なぜかまだ臭う」というご相談を受けた際、原因の多くはここにあります。居室内の消臭と、排水管の洗浄は、切り離して考えることができない作業なのです。

「栓を抜くとすぐ詰まる」という言葉にご注意ください

近年、SNSなどで「浴槽の栓を抜くと数秒で詰まる」「絶対に栓を抜かないでください」といった、不安を強く煽る形で仕事を得ようとする業者が増えています。こうした手口は、いわゆる「レスキュー商法」と呼ばれるものと同じ構造です。そして私たちの経験から申し上げると、こうした煽り文句を使う業者の多くは、実際には排水管内部の詰まりを根本から解消する技術を持っていません。「詰まるから触らないでください」という言葉は、裏を返せば「詰まらせてしまったら直せません」という意味であることが少なくないのです。

浴槽内でお亡くなりになった現場では、警察の方々が先に到着し、ご遺体の搬送作業にあたられます。その際、浴槽の水を抜く必要がある場面は当然出てきます。もし「栓を抜くと詰まる」といった煽り文句が独り歩きしてしまうと、こうした現場で本来必要な作業にまで支障が出かねません。私たちは、私たちより先に現場に入り、ご遺体と向き合ってくださる警察の皆様に、いつも深い感謝の気持ちを持っています。だからこそ、現場の実務を妨げるような不安の煽り方は絶対にすべきではないと考えています。

私たちは、レスキュー商法の業者とは反対の立場を取っています。「栓を抜いても大丈夫です」。もし排水管が詰まってしまったとしても、それを解消するための技術と機材を私たちが持っています。詰まりを恐れて何もできなくなるのではなく、「詰まったら、そのときは私たち専門が対応しますので、どうぞご安心ください」というのが、私たちの一貫した考え方です。

私たちは、こうした煽り文句は使いません。排水管の内部までしっかりと洗浄する技術がありますので、「栓を抜かないでください」とお伝えすることはないのです。栓を抜いた際に水がきちんと流れるかどうかは、その場しのぎの表面清掃で済ませているか、内部まで本当に洗浄が行き届いているかを見極める、わかりやすい判断材料の一つでもあります。

不安を煽る言葉で契約を急かす業者には、一度立ち止まって「なぜそう言い切れるのか」を確認されることをおすすめします。私たちは技術的な根拠を持ってお答えできますので、少しでも不安に思われた際は、他社の説明と比較する形でご相談いただいても構いません。

実際の排水管洗浄はどのように行うのか

私たちの排水管洗浄では、エンジン式の高圧洗浄機に専用の洗管ホースを接続し、排水口からパイプの奥深くまでホースを送り込みます。高圧の水を噴射しながらホースを行き来させることで、管の内壁にこびりついた汚れを物理的に削ぎ落としていきます。

⚠ 閲覧注意
以下は、浴槽でお亡くなりになった現場における実際の排水管洗浄作業の記録映像です。排水管の内部から害虫(ウジ)が流れ出てくる様子が映っています。苦手な方はご覧にならないことをおすすめします。

浴槽で亡くなった現場における排水管洗浄の実施映像

動画でご覧いただけるように、こうした現場では、洗浄の過程でハエやウジが大量に流れ出てくることも少なくありません。決して気持ちの良い光景ではありませんが、これはそれだけ深い場所まで汚れが達していたことの証拠でもあり、逆に言えば、ここまでしっかり洗浄しなければ、臭いの根は絶たれないということでもあります。

高圧洗浄だけで終わらせない、自社製バイオ製剤による仕上げ

高圧洗浄で物理的な汚れやサナギ・害虫を排水管の内部から洗い流した後、私たちはそれで作業を終わりにしません。仕上げとして行うのが、当社が2年間かけて独自に開発した自社製バイオ製剤を使った洗浄です。2023年の実用化から3年間、数多くの現場でこの製剤を使い続けています。

体液や汚物が付着した排水管の内部では、腐敗臭のもとになる「悪玉菌」が繁殖しています。高圧洗浄で目に見える汚れを落とせても、配管の壁面に残ったわずかな汚れの中で、悪玉菌が臭いを発し続けることがあります。そこで私たちは、長年の現場経験をもとに2年をかけて開発したバイオ製剤(善玉菌)を排水管内に行き渡らせ、悪玉菌を善玉菌の力で分解・消臭する施工を行っています。市販の薬剤で臭いを一時的に抑え込むのではなく、現場を知り尽くした私たちだからこそつくれる製剤で、菌の力に菌で対処するという考え方です。

高圧洗浄(物理的な除去)と自社製バイオ製剤による洗浄(微生物による消臭)を組み合わせることで、排水管内部からの「におい戻り」を防ぎ、居室側で行った消臭作業の効果を長く保つことができます。開発から実用化まで2年、そして実際の現場での使用実績も3年に及ぶこの製剤は、他社で使われているような市販の汎用薬剤ではなく、当社の現場データをもとに改良を重ねてきたからこそ実現できる仕上がりです。

仕上がりは、経験を積んだスタッフの「耳」で判断します

排水管がきちんときれいになったかどうかは、実は目で見て確認することができません。私たちは、パイプの中を水が流れる音を聞いて判断しています。汚れが残っている配管と、内部まで洗浄が行き届いた配管とでは、水が流れる音がはっきりと違います。これは数字やマニュアルだけでは身につかない、現場を数多くこなしてきたベテランスタッフだからこそわかる感覚です。作業の最後には、この「音」による確認まで行って、初めて洗浄完了とみなしています。

浴槽・トイレでのご逝去では、排水管洗浄は必須の工程です

浴槽やトイレでお身体が発見された場合、排水管洗浄はオプションではなく、必須の作業だと私たちは考えています。居室の消臭だけを行って「終わったこと」にしてしまうと、時間が経ってから臭いが戻り、近隣とのトラブルに発展してしまうケースを何度も見てきました。臭気測定器による数値確認と合わせて、排水管の内部まで責任を持って洗浄することで、初めて「本当に臭いが消えた」と言える状態になります。

排水管洗浄の料金目安

作業内容料金目安
基本作業9,800円〜
高圧洗浄(エンジン式)33,000円〜
薬剤による分解洗浄13,200円〜
管内カメラ調査75,000円〜

汚れの程度や配管の長さによって作業内容は変わりますので、正確な金額は現地調査のうえでご案内いたします。

この記事を書いた専門家:増田裕次

株式会社ToDo-Company(トゥードゥーカンパニー) 代表

遺品整理・特殊清掃の専門家として25年以上業務に従事。2000年に遺品整理・孤独死の特殊清掃専門の『遺品整理クリーンサービス』を創業し、2010年に株式会社ToDo-Companyを設立。専門チーム「孤独死清掃本部」を立ち上げ、遺品整理人・特殊清掃スタッフの育成にも取り組んでいます。

【保有資格・商標】遺品整理人®︎(商標登録:第5967866号)

【受賞・メディア実績】

 ・2018 NEW YORK FESTIVAL「LONELY DEATHS(孤独な死)」銀賞

 ・ザ・ノンフィクション「孤独死の向こう側 ~27歳の遺品整理人~」出演

 ・2025年、遺品整理人ドラマ「終幕のロンド」監修 など