
賃貸物件にお住まいだったご主人が亡くなり、お部屋を返還する際には原状回復が求められます。このとき対象になるのは室内だけではありません。
屋外に設置してある物置や、屋根の上に取り付けられたアンテナの撤去も必要になります。
アンテナは「屋根馬」と呼ばれる台座の上にパイプが立てられ、その先端に取り付けられています。倒れないように支線(テンションワイヤー)で固定されているのが一般的です。
普段は登ることのない屋根に上る際は、靴底についた砂やホコリをきれいに落としてから作業するようにしましょう。砂が残っていると滑りやすくなるため、十分注意が必要です。
目次
1.屋根馬とは何か
屋根馬とは、テレビ用アンテナなどを屋根の上に設置する際に土台として使う台座のことで、「ルーフベース」とも呼ばれます。
2.屋根馬の役割
屋根馬は、接地面が平らでない屋根の上でもアンテナをしっかり固定するための補助的な役割を果たします。屋根馬があることで、台風などの強風にも耐えられる安定した設置が可能になります。
3.屋根馬の種類
屋根馬にはいくつかの種類があり、用途によって使い分けられています。
テレビ用の屋根馬
地デジやBSなど、一般家庭で広く使われているテレビアンテナ用の屋根馬です。普及率が高いため価格も比較的安く、1,000円前後から購入できます。
アマチュア無線用の屋根馬
アマチュア無線用のアンテナはより頑丈な作りになっており、需要が少ないぶん価格も高めで、5万円前後することも珍しくありません。
今回の現場にあったのはテレビ用アンテナ

実際に屋根に上って屋根馬を確認してみると、長年の使用で錆びが進み、上部が折れかけている状態でした。
※屋根に上る際、瓦屋根ではなくトタン屋根の場合は、転落防止のためレールの上を歩くようにしてください。
屋根馬を支えているワイヤーを確認する

アンテナが強風や重みで倒壊しないよう支えている支線(ワイヤー)は、通常4〜8本程度張られています。アンテナはただ立っているだけではないため、撤去にはこのワイヤーの切断が必要になります。
新しいワイヤーであればねじるだけで外せることもありますが、長年風雨にさらされて錆びついたワイヤーは、ねじるとその部分でポキッと折れてしまいます。
そのため、ワイヤーが固定されている根元付近で切断するのが基本的な進め方です。
支線(ワイヤー)を切断する

ワイヤーを切断する際、注意しなければならないのは「テンション(張力)」がかかっている場合があることです。
長年、強風や積雪の重みに耐えてきたアンテナポールはわずかに曲がっていることがあり、支線が引っ張られた状態になっていると、切断した瞬間にシーソーのように反対側へ倒れ込むことがあります。
もし2人組で作業をしていた場合、倒れた側にいる人に直撃して屋根から転落してしまう危険性もあるため、切断前には必ずワイヤーにテンションがかかっていないかを確認しましょう。
ワイヤーの中間あたりを手で軽く揺すってみて、たるみがあればテンションはかかっていません。逆にたるみがなくピンと張っている場合はテンションがかかっている証拠なので、先に別のワイヤーから切断するようにしましょう。
切断作業には、ニッパーよりも導線カッターを使う方がスムーズです。また、万が一に備えて、切る際はワイヤーの上側を手で支えながら作業することをおすすめします。
テンションがかかった状態でアンテナポールが倒れてしまった場合は、ワイヤーを無理に持ち続けないでください。そのまま体が引っ張られて転落してしまう危険があります。
切断後はいったん横に倒しておく

ワイヤーの切断作業では屋根の端(すそ)近くまで移動することもあり、高所から地面を見下ろすとかなりの恐怖感があります。屋根の端は腐食が進んでいて踏み抜いてしまうこともあるため、命綱は必須です。
すべてのワイヤーを切断できたら、屋根馬が立っていた場所にアンテナを横向きに寝かせておきます。
アンテナの撤去作業は、基本的に屋根馬が設置されていた場所を中心に行います。むやみに他の場所を歩き回ると、老朽化した屋根が陥没する恐れがあるため、最小限の移動で作業を進めます。
ワイヤーを切り終えたら、次に同軸ケーブルを取り外します。同軸ケーブルはアンテナからテレビへ電波を送るための黒いケーブルで、テレビの背面に接続することで視聴が可能になっています。
同軸ケーブルを取り外す、または切断する

同軸ケーブル(黒い線)は、アンテナ本体やアンテナポールに固定されていることが多く、カバーを開けてネジを緩めれば取り外せます。今後使う予定がない場合は、そのまま切断してしまっても問題ありません。

私たちでは、できる限り部材を再利用できるよう丁寧に取り外しを行っていますが、一般の方が作業される場合は、屋根の上に長時間とどまる危険性も考慮し、思い切って切断してしまい作業時間を短縮することも、安全確保の観点から有効な手段です。
屋根の上は地上と違い、写真だけでは伝わりにくい危険が多くあります。小さなホコリがついているだけで滑りやすくなったり、朝晩は霜や夜露で濡れていたり、風が直接吹きつけたりと、常に不安定な環境であることを念頭に置いてください。
すべて取り外したらアンテナ撤去は完了

屋根の上のアンテナ撤去は、下から見ていると簡単な作業に見えるかもしれませんが、実際には予期しないトラブルが起こりやすい場所です。必ず危険が伴う作業であることを念頭に置いて取り組んでください。
アンテナを撤去したら、最後に屋根の上をきれいに掃いて作業終了です。住宅が密集している場所では、長いポールを下ろす際に隣家に当ててしまう恐れもあるため、はしごのように下向きに立てかけながら降ろし、電線などにも十分注意して移動しましょう。
アンテナの撤去は1階だけとは限らない
今回はアンテナが1階部分の住宅に設置されているケースでしたが、一般的には2階建て戸建ての屋根上に設置されていることが多いです。また、アンテナは屋根の上だけでなく、軒先にポールを固定して伸ばしているケースもあるため、現場ごとに適した対応が必要になります。
続いては地上での作業の様子です

今回は栃木県での遺品整理のご依頼でした。電気・水道はすでに停止された状態でのご依頼でしたが、当社ではこうしたケースでも問題なく対応可能です。
「電気やガス、水道が止まっているけれど大丈夫でしょうか?」というご質問をよくいただきますが、当社では1日だけの契約が可能なため、ライフラインが止まっている状態でも問題なく作業を進められます。
長年暮らした家に、今は遺品だけが残されて

高齢者の一人暮らしでは、日々の生活そのものが少しずつ大変になっていくものです。
ガスや電気の暖房器具であれば大きな負担にはなりにくいものの、灯油を使うファンヒーターの場合は18リットルものタンクを持ち運ぶだけでも、かなりの体力を必要とします。
日常生活の中でこなさなければならないことは意外と多く、年齢を重ねるにつれて、それらを一つひとつこなすのが難しくなっていきます。
そうしているうちに、物を処分すること自体が億劫になり、いつの間にか物が増えていってしまうことも少なくありません。かつては「ついでに出してあげるよ」と声をかけてくれる近所の方も多くいましたが、そうした光景も最近では見かけることが少なくなりました。
地域コミュニティというのは、机上で議論するようなものではなく、実際に人が心地よく暮らしていける環境があってこそ成り立つものなのだと感じます。
困っている人がいれば代わりに手伝ってあげる、ゴミ出しを頼まれたお礼に何かを渡す、醤油が切れたから隣に借りに行く。そうした何気ないやり取りも、今ではあまり見かけなくなったように思います。
近隣の方いわく「さびしくなってしまう」

作業をしていると、近隣の方々が様子を見に来られることが少なくありません。そこで交わす会話の中から見えてくるのは、今ではなかなか見られなくなった、近所付き合いの温かさです。
今住んでいる方がいなくなれば取り壊しが決まっている住宅とのことでしたが、周囲の方々は県が用意した新しい住宅への転居を望んでいないといいます。
設備の整った新しい住宅よりも、住み慣れたこの土地でこれからも過ごしたいという気持ちの方が強いのだそうです。だからこそ、県から声をかけられてもこの土地を離れず、これからもここでみんなと暮らしていきたいというお話を伺いました。
「自分もすっかり年を取ってしまったから、身の回りの準備はしておかないと」とおっしゃりながらも、それは引っ越しの準備ではなく、いずれ皆が一人また一人といなくなってしまうことへの寂しさを語ってくださいました。
人生の記録が、あっという間に片付いていく

その方らしく過ごしやすいように整えられてきたお部屋が、わずか半日ほどで片付いてしまう。あっけないようでいて、そこには確かに積み重ねられてきた暮らしの物語があります。
住み始めた当初は何もない部屋で、どこに何を置くか、家財道具の配置を考えることさえ楽しみだったはずです。そうして年月とともに暮らしやすさが積み重なり、その方だけの生活のかたちができあがっていきます。
片付けのお手伝いをしていると、そうした工夫の跡が随所に見えてきます。この配線はこう使うためだったのか、この棚は暮らしやすさを考えて手作りされたものだったのか、というように。
70年という長い年月を過ごしてきた暮らしの物語が、半日という短い時間で片付けられてしまう。あっという間の出来事ではありますが、そこに積み重ねられてきた思い出は、決して簡単に消えるものではないと感じます。
少しでもきれいな状態でお返ししたい

今はもういない、かつてそこに暮らしていた方のために、少しでもきれいな状態にしてお返ししたい。そう願いながら作業を進める私たち遺品整理人ですが、何もなくなった部屋を見ると、その広さに改めて胸が締め付けられることがあります。
この住宅は取り壊しが予定されており、作業後は板で塞がれ、その日を待つことになります。どれほど設備が整っていても、住み慣れた土地を離れて新しい場所で生活を始めることを望まない方が多いということを、あらためて教えられた現場でもありました。
確かに、新しい環境では近所付き合いもゼロから始まり、孤独を感じてしまう不安もあるのでしょう。「引っ越さなければよかった」という寂しさを、あとになって抱えてしまう方もいるのかもしれません。
地域に根を下ろして暮らすということは、他人から見れば不便に思える場所であっても、そこで暮らす人にとっては何よりも住みやすい土地なのだと感じます。

栃木県・群馬県・茨城県には当社の直営スタッフが伺っておりますので、見積り内容に少しでも不安を感じた際は、お気軽にご相談ください。
アンテナの撤去や庭木の伐採、浴槽の取り外しといった付帯作業も、通常の遺品整理と合わせて総額のお見積りでご案内しています。詳しいサービス内容は東京の遺品整理|創業25年の実績と丁寧な供養|無料お見積りをご覧ください。
創業からの歩みやスタッフ体制など、当社について詳しくは会社概要をご確認いただけます。
