「死臭(ししゅう)」とは、主に死後に発生する特有の臭いを指す言葉で、遺体が腐敗・分解される過程で発生するガスや化学物質によって引き起こされますので生前には死臭の発生はしておりません。生前に発生するとすれば死前臭(しぜんしゅう)です。
人間を含む動物の遺体は死後すぐには目立った臭いを発しませんが、時間が経つにつれて体内の細菌や酵素による自己分解(自己融解)が始まり、それに伴って腐敗が進行します。例えば、タンパク質の分解によりアンモニアや硫化水素、カダベリン、プトレシンといった化学物質が発生し、これらが混ざり合うことで「死臭」と呼ばれる強烈な臭いが生まれるのです。
死臭の強さや発生するタイミングは、環境要因によって異なります。例えば、高温多湿の環境では腐敗が早く進行し、死臭も短時間で強くなります。一方で、低温や乾燥した環境では腐敗の進行が遅くなり、死臭の発生も抑えられます。また、死臭の種類も遺体の状態や死因によって変わることがあります。例えば、感染症で亡くなった場合や消化器系の損傷がある場合、通常とは異なる腐敗臭が発生することもあります。このような臭いは、人間の本能的な警戒反応を引き起こすとも言われており、死の存在を示す重要なサインの一つと考えられています。
生前に発生する匂いは死臭ではなくて体臭や口臭が発生させています。死臭は死んでからの臓器や体の腐敗によるもので、生前は何らかの病気をかかえていることが体臭や口臭によって匂いを発することで死臭なのかと勘違いをしてしまいます。
ですので、何らかの病気を患っていてからだが限界に来た時に発する死前臭です。生前に死臭がでることはなく、臓器が弱ったことによる最後の臭いが体臭や口臭から外部に発せられる臭いということになりますので安心してください。
最近酸っぱい臭いがする・・・
なんかカビくさい感じがする・・・
アンモニアのようなにおいがする・・・
結論から
「死前臭」とは、死が近づいた人の体から発せられる特有の臭いを指す言葉です。これは、体の代謝が低下し、内臓の機能が衰えることで、特定の化学物質が体外へ放出されるために発生すると考えられています。例えば、アンモニアやケトン体、硫黄化合物などが関与している可能性が指摘されており、これらの成分が混ざり合うことで独特の臭いが生まれるのです。また、病気の進行や臓器不全が原因で体内の老廃物が十分に排出されなくなることも、臭いの発生に影響を与える要因の一つです。
この現象は特に末期のがん患者や、長期の寝たきり状態にある人に見られることが多いとされています。例えば、肝機能や腎機能が低下すると、通常は体外に排出されるはずの毒素が血液中に蓄積し、汗や呼気を通じて外に出ることで臭いが強くなることがあります。また、代謝の変化によって皮脂の成分も変わり、通常とは異なる臭いを放つこともあります。このような「死前臭」は、医学的に完全に解明されたわけではありませんが、介護や看護の現場では実際に感じられることがあるため、一部では注目されています。
死臭の匂いが気になる人へ
病気に入院していると病気を治療するためにさまざまな薬を投与しますよね、その投与によって弱っている臓器が悲鳴を上げてしまい一部が壊死したりすれば体外へ臭いを放出したり、入院中は入浴できなかったりしてアカが溜まってしまったりします。
病院に行くと薬などでいろいろな臭いを嗅いだりしますが、本当の死臭というのは部屋中に蔓延してしまい一般の方であれば我慢できる臭いではなく数分で嘔吐してしまう人もいらっしゃいます。
ここではどのような臭いなのかくわしく掘り下げてご説明させていただきます。
死臭ってどんな匂い
死臭は人の体の臓器が機能せずに腐敗してしまった匂いです。それは、たとえようのない匂いなので「これだ」というのはありませんが肉や魚が腐ってしまったことを想像していただくとわかりやすいと思います。
本当の死臭は強烈な臭いなので、嗅いだことによって脳へにおい信号が送られ脳や鼻がびっくりして一時的に臭覚がマヒします。きれいな空気を嗅いでも死臭の匂いがとれていないような現象になります。そして自分の体から発しているような感覚にもなってしまいます。
そのような場合はいったん鼻をリセットしなくてはならないためコーヒー豆などを直接嗅ぐことで鼻が平均的な匂いにリセットするといわれています。
それでは、次に死期がせまってきた人が死臭がする原因についてお伝えさせていただきます。
その匂いは病名でわかれている
死臭がすっぱい臭いとか甘い臭いなどアンモニアみたいな匂いと言われていることには病気との接点があるようです。主に口臭からざっくりとシグナルが出ているようですが、どのような臭いなのかチェックしてみてください。
- 甘酸っぱい臭い
- 腐った卵の匂い
- カビ臭
- 腐った肉の匂い
- アンモニア臭
甘酸っぱい匂い
甘酸っぱい匂いがする口臭の主な病気の原因は糖尿病を患っている人や疑いがあるひとが甘酸っぱい匂いがします。また、過度なダイエットなどをしている人などにも同じような口臭がするために一見私は糖尿病なのかしらと勘違いしてしまう時もあり糖尿病でなくても予備軍となるかもしれませんのでそのような臭いが口臭から発せられた場合には検査などが必要になると思います。
腐った卵の匂い
口臭から腐った卵のような匂いがする場合には胃腸の病気にかかっている可能性があります。消化不良などを起こしている食べ物の異常発酵が原因でその物質が血流にのって肺に送られ呼気や口臭になって現れてきます。
胃腸が弱っていて食べたものなどを消化できない時や消化不良の時に胃の中で発酵してしまうことが口臭の原因ですね。
カビ臭
カビ臭の原因になるのが肝臓の病気があるとカビのような匂いがするといわれています。お酒の飲みすぎなどによる肝硬変などもそうですが肝臓の病気がある方はカビ臭が匂いのもとになるでしょう。
腐った肉のような匂い
これは、口の中の病気とのどなど、肺炎などの病気にかかっている人から匂います。おそらく死臭の匂いにいちばん近いような気がしますが部分的ではなく死臭は体全体が腐敗してきて臭いっている臭いになりますのでそのまえの部分の匂いになります。
アンモニア臭
アンモニア臭といわれる尿のような匂いですが腎臓と尿毒症などの病気があるとアンモニア臭という匂いがします。
生前の死臭の匂いは
おそらく生前に死臭の匂いがする理由は、上記のようななにかしらの病気を抱えていることによって発する口臭からの匂いになると思います。
よく死期が近づくと死相がでているなどいわれていたりしますけど、匂いもそれぞれが抱えている病気に伴った匂いとなっていますのでそれが死臭になることはありません。死臭は死んでから臓器が腐敗した独特の匂いですのでどんな病気を患っていても死臭は種類がなく、死臭そのものです。
みなさんが生前に死臭といっているのは病気臭です。
死臭のような感じもするかもしれませんが死んでからの匂いは嗅いで吟味していれば吐いてしまうほど強烈な匂いなので生前に嗅ぎ分けられるのは臓器が弱った病気臭となります。
死臭は普段あまり嗅ぐことがないのでどんな匂いなのか気になるところではあると思いますが、できれば嗅ぐことがないようにしたほうが得策です。
死臭を嗅いだことによる後遺症
死臭を嗅いでしまうと鼻や脳がびっくりしてしまいます。
おそらく鼻が敏感なひとならば一度嗅いだら2度と嗅ぎたくないとおもうかもしれないほどの強烈な匂いです。もちろん亡くなってすぐの場合には冷蔵または冷凍してしまうので死臭という死臭はしませんが日数が経過して腐敗してしまった死臭は鼻だけでなく、カラダじゅうの毛穴に入ってしまったのかというくらいにまとわりついてしばらく匂いがとれません。
浴室で体を洗っても一回だけでは臭いがとれていないので何回か洗うほどの間隔に陥ります。
しかし、体に染みついた匂いではなく鼻で嗅いだ感覚と脳が嗅いだことのない匂いをリセットできないためにおこる錯覚なんです。
後遺症と大げさな感じもしますが孤独死の清掃などをしているとご飯を口に入れるときやくつろいでいるときなどにふとした瞬間に死臭がよみがえってきたりするのです。多くの場合は鼻がリセットできていないことが原因ですがコーヒー豆などを袋のまま臭いをかいだりすればリセットできるといわれています。
コーヒーが苦手な人は何日か死臭とつきあって次第に鼻がもとに戻るのをまつことになりますが・・・
死臭と向き合う職業病
一般のひとでは死臭を嗅ぐということはない人のほうが圧倒的に多いと思いますが、わたしたちの仕事は孤独死の清掃がメインの仕事になっていて臭いを直接的に嗅いでしまうことが多いのですが故人が患っていた病気で匂いがちがうのか嗅いでしまうことが職業病かもしれません。
特に違いはないのですがやっぱり死臭は死臭の匂いです。
ひとつだけ違うとすれば亡くなってから腐敗するまでの時間によって匂いの強さが違ってきます。発見までが早ければ鼻の錯覚が起きるようなことはないのですが月日が経過してしまった死臭は鼻や脳がいつまでも覚えてしまって思い出すだけで嗚咽などが出てしまうことがあります。
看護師の死臭とはちがう
よくあるのが看護師による「死が近づいたひとから死臭がする」といったことですが、それは死前臭のことです。だれでもなくなる最後は元気もなくなりますし臓器もだいぶ弱っているので上記のような病気にかかっていればその匂いが口臭となってあらわれます。死臭は亡くなって臓器が完全に動きを止めて腐敗してから匂ってくるものなので看護師の言う死臭は死の前の匂いということです。
死前臭も死臭も同じようなものだと思うかもしれませんが、完全に臓器が停止して腐敗した死臭は一般の方が嗅ぐには極度の抵抗を感じてしまいます。もちろん亡くなる前に臓器が弱っていて臭いを放つことがあるかもしれませんが、それとこれとは比べ物にならないのが死臭です。
もし病院で死臭が漂っていれば、大変な異臭騒ぎになりますし、お見舞いに来た人などから匂いがするから近づかなくなりますし、病院は清潔な場所というイメージがなくなってしまいますので死臭がするならば腐敗してしまっている何かがあるということになります。
- 死前臭は抱えている病気で臓器が弱った臭い
- 死臭は臓器が完全停止して腐敗した臭い
というように覚えておくと良いと思います。臭いというのは人によって感じ方が違いますが、死前臭と死臭は大きな違いがございますので間違えないようにしたいものです。